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2010/11年度の冬穀物生産量、4千万トン台に上方修正(豪州)

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2010/11年度の冬穀物生産量は前年度比16%増の見込み

 豪州農業資源経済局(ABARE)は9月14日、2010/11年度(7〜6月)の穀物生産見通しを発表した。これによると、冬穀物の総生産量は前年度比16%増の4066万トンと4千万トン台に達すると見込まれ、前回6月発表時の3512万トンからかなり大きく上方修正された。これが達成されると、過去3番目に多い記録的な増産となる。
 今回の上方修正についてABAREは、豪州東部(クイーンズランド(QLD)州、ニューサウスウェールズ(NSW)州、ビクトリア(VIC)州、南オーストラリア(SA)州)の穀倉地帯において、大発生したバッタによる収穫への影響は少なからずあるものの、冬穀物の育成期に当たる7〜8月にかけて降雨量が平年並みかそれ以上であったことに加え、9月上旬も、同地帯で広範囲にわたり降雨に恵まれたことを要因としている。
 

品目別では、小麦、大麦、カノーラがそれぞれ増加見込み

 品目別にみると、小麦が前年度比15.9%増の2510万トン、大麦が同8.9%増の877万トン、カノーラが同16.8%増の223万トンと、主要冬穀物3品目全てにおいて前年度を上回る見込みである。
 州別に見ると、最大の生産量を誇る西オーストラリア(WA)州は、乾燥気候による影響から、同22%減の971万トンと大幅な減産が見込まれる。一方、NSW州は同93%増の1451万トンと過去最高の増産が見込まれ、今年度は、WA州の生産量を上回るものと見込まれる。また、VIC州は、同8%増の669万トン、QLD州は同37%増の202万トン、SA州は同3%増の766万トンとそれぞれ増産が見込まれている。
 
見通し

夏穀物の作付け面積も増加見込み

 これから作付けが始まる2010/11年度における夏穀物の作付面積についてABAREは、平均を下回った前年度に比べ、59%増の127万ヘクタールと見込んでいる。品目別にみると、飼料として利用されるソルガムは、同55%増の60万ヘクタールと見込まれる。これは、主産地であるNSW州北部やQLD州南部において冬期の降雨量が、平年並みかそれ以上であったことによるものである。
 また、かんがい用水に依存した生産を行っている綿実とコメについては、同96%増の41万ヘクタール、同3.5倍の6万7千ヘクタールと、それぞれ大幅な増加が見込まれている。これは、かんがい用水割当量の増加によるものであり、2010年9月9日時点、同割当量の水源となるダム貯水率は、前年同時期の27%から53%へ大きく改善している。
【玉井 明雄 平成22年9月15日発】
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