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2010年上半期の畜産部門は好調(フィリピン)

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2010年上半期の農業生産額の成長率は1.7%

 フィリピン農務省農業統計局(BAS)は、2010年上半期(1〜6月分)の農業生産状況を公表した。農業部門全体における生産額(現行価格)は、前年同期比1.7%増の6078億ペソ(約1兆2765億円:1ペソ=2.1円)となった。

耕種部門は伸び悩む一方、家畜および家きん部門の生産額が増加

 部門別でみると、農業部門生産額の半分を占める耕種部門は同2.8%減の3127億ペソ(6567億円)、約3割を占める水産部門が同0.8%増の1123億ペソ(2358億円)であり、前年とほぼ同じ額にとどまった。
 この耕種部門の生産額の減少は、主要作物である米とトウモロコシが、エルニーニョ現象による干ばつおよび高温の影響を受け、生産量が大幅に減少した上、価格も伸び悩んだことが原因である。
 コメの生産額は同10.7%減少の1012億ペソ(2126億円)、生産量は同10.2%減の662万トンであった。トウモロコシの生産額は同30.9%減の279億ペソ(585億円)、生産量は同24.9%減の242万トンであった。
 畜産関係の生産額については、家畜部門(牛肉、水牛肉、豚肉、ヤギ肉、生乳)が同12.4%増の1049億ペソ(2203億円)となり、家きん部門(鶏肉、アヒル肉、鶏卵、アヒル卵)も同9.9%増の779億ペソ(1636億円)と増加した。
 畜産関係の生産額の伸びは、生産量の増加および価格の上昇などによるものであった。特に主要畜産物である豚肉が同12.7%増の858億ペソ(1802億円)、鶏肉が同11.7%増の586億ペソ(1231億円)と好調であった。

2010年上半期の豚肉と鶏肉の生産および価格状況

 豚肉については、熱波による事故を恐れた生産量が出荷を増やしたことに加え、5月に行われた選挙期間の需要により、生産量が増加した。
 鶏肉の生産についても同様の背景のもと増加した。
 国内価格は需要の増加もあり堅調に推移した。生産者販売平均価格は、豚肉が同11.0%高のキログラム当たり93.79ペソ(約197円)となったほか、鶏肉が同9.3%高のキログラム当たり88.80ペソ(186円)となった。

表1 2010年1~6月の農産物生産額、生産量、生産者販売価格

表1 2010年1~6月の農産物生産額、生産量、生産者販売価格
【(代理) 平石 康久 平成22年10月4日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部調査課 (担当:平石 康久)
Tel:03-3583-9534