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南米の農畜産業をめぐる現地情報(2010年10月上期)

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(アルゼンチン)

○ 2010年の牛肉輸出量は、過去最高の2005年比58.5%減

 2010年のアルゼンチンの牛肉輸出量は、過去最高であった2005年に比べ58.5%減の約32万トンと見込まれている。なお、現在の同国の牛飼養頭数は、2001年水準に近い約4900万頭とみられる。

○ トウモロコシの輸出許可数量を1400万トンへ引き上げ

 キルチネル大統領は、トウモロコシの輸出許可数量を現在の1300万トンから1400万トンへ引き上げると発表した。直近の農牧漁業省(MINAGRI)の調査によると、2010/11年度(3月〜翌年2月)のアルゼンチンのトウモロコシ生産量は、前年度に比べ15.6%増の約2600万トンになると見込まれている。

○ 中国と牛肉、鶏肉などの輸出協定締結の可能性

 アルゼンチン政府は来月、中国政府と牛肉、鶏肉、大麦、ワインの輸出協定を締結する可能性がある。MINAGRI高官によると、今回締結した場合、鶏肉の輸出において大幅な増加が見込めるとしている。

(ブラジル)

○ 2010年の鶏肉輸出は、前年比12.6%増の約380万トンの見込み

 ブラジル養鶏連合(UBABEF)は、2010年の鶏肉輸出は、ロシア・中国向けが予想以上に好調であることなどから、数量べースで前年比12.6%増の約380万トン、金額ベース同15.3%増の約68億ドル(約5644億円:1ドル≒83円)と予測している。
 なお、1〜9月の輸出は、数量ベースで前年同期比5.0%増の約285万1000トン、金額ベースで同17.2%増の約49億6300万ドル(約4120億円)となった。

○ マットグロッソ州、過去10年で最悪の長期乾燥被害

 マットグロッソ州では、過去10年で最悪とされる少雨が肉牛生産や大豆栽培に深刻な影響を及ぼしている。業界関係者によると、同州では4月以降、降雨が観測されていない。
 同州は、2008年の牛飼養頭数が約2600万頭と、ブラジルの牛飼養頭数の10%以上を占める最大の州であるが、長引く干ばつにより火災が発生し、多くの農場が広大な面積の牧草を失っているとされる。

○ 2010/11年度はトウモロコシ、大豆ともに生産減の見込み

 国家食糧供給公社(CONAB)の2010/11年度第1回穀物生産調査によると、2010/11年度(3月〜翌年2月)の穀物生産量は、前年度に比べ2.1〜0.6%減の約1億4570万〜1億4790万トンと予測されている。
 そのうち、トウモロコシについては、同7.5〜6.5%減の約5180万〜5240万トン、大豆については、同1.5%減〜0.3%増の約6760万〜6890万トンと見込まれている。
【石井 清栄 平成22年10月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部調査課 (担当:藤井)
Tel:03-3583-9532