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南米の農畜産業をめぐる現地情報(2011年1月下期)

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アルゼンチン

○ 2010年の牛肉輸出量は、前年比50%以上減

 国家動植物衛生機構(SENASA)によると、2010年の牛肉輸出(生鮮肉)量(製品重量ベース)は、政府の牛肉輸出管理政策や干ばつなどによる飼養頭数の減少から、前年比56.7%減の約16万6000トンとなった。また、輸出額は、同29.4%減の約10億7600ドル(約893億円、1ドル≒83円)となった。なお、主な輸出先は、ロシア(約3万6000トン)、イスラエル(約2万7000トン)などであった。

○ 2011年1月のフィードロットの平均収容率は49%

 国内の約500のフィードロットが加盟しているアルゼンチンフィードロット協会(CAEHV)によると、2011年1月第2週時点の平均収容率は、前年同期比8ポイント減の49%と、4年ぶりに50%台を切ることとなった。これは、飼養頭数の減少に加え降雨不足の影響などによるとみられる。

ブラジル

○ 2011年の鶏肉生産量は過去最高の1290万トンの見込み

 現地報道によると2011年の鶏肉生産量は過去最高であった2008年の1103万トンを上回る1290万トンとなる見込みである。2011年には、60億羽以上のヒナがふ化する見込みである上、生産性の向上も期待されている。国家食糧供給公社(CONAB)によると、過去10年間でヒナふ化羽数は85%、鶏肉生産量は96%増加している。

○ 2010年の牛肉輸出金額は、前年比16%増の47億9500ドル

 ブラジル牛肉輸出産業協会(ABIEC)によると、2010年の牛肉輸出は、数量ベースでは前年比3%減の192万トン(枝肉換算)であったが、金額ベースでは同16%増の47億9500万ドル(3979億8500万円)となった。2011年の輸出金額はさらに増加する可能性があるとされる。  国別では、全輸出額の26%に当たるロシア向けは前年比12%増の10億2300万ドル(849億900万円)、イラン向けは同140%増の8億700万ドル(669億8100万円)、エジプト向けは同100%増の4億900万ドル(339億4700万円)といずれも著しい伸びを示した。

○ トウモロコシ価格が過去1年で60%上昇

 収穫の遅れと海外での需要の拡大により、トウモロコシ価格が過去1年間で60%以上上昇している。サンパウロ証券商品先物市場における1月18日の価格は60キログラム当たり31.54レアル(1577円:1レアル≒50円)となり、過去最高の2008年1月16日の31.76レアル(1588円)の記録を更新した。
 例年、国内では、収穫が始まっている時期であるが、降雨不足により2月にずれ込む見込みである。
 
表
【石井 清栄 平成23年2月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:岡)
Tel:03-3583-8609