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フィードロット飼養頭数、昨年末から5.6%増加(豪州)

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WA州を除く全州で増加

 豪州フィードロット協会(ALFA)は5月16日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2011年3月期)を公表した。これによると、2011年3月末時点の総飼養頭数は77万9千頭となり、前回調査(2010年12月末:73万7千頭)比では5.6%増、前年同期比では9.5%増と、2期連続減少した前回調査時から一転して、増加となった。
 州別に見ると、ニューサウスウェールズ(NSW)州(前回調査比15.0%増)、サウスオーストラリア(SA)州(同14.3%増)、ビクトリア(VIC)州(同5.9%増)での増加が目立つ。この要因として、南部の州での冬穀物が豊作であったため、高水準で推移していた飼料穀物価格が低下したことが挙げられる。
表1

フィードロット肥育業者を取り巻く情勢は厳しい

 しかしながら、NSW州リベリナ地区およびQLD州ダーリングダウン地区の今期の平均飼料穀物価格については、国際的な穀物価格上昇の影響を受け、前年同期比15%高と依然として高い水準となっている。また、素牛価格についても、多雨によって牧草の状態が良好なことから上昇しているため、フィードロット肥育業者の収益性は低下している。さらには、豪ドル高が輸出収益を圧迫しており、フィードロット肥育業者にとっては厳しい状況となっている。
 こうした状況下で今回の調査においてフィードロット飼養頭数が増加していることについて、関係者は、肥育期間が短くコストの小さいショートフェッドや豪州国内向けが増加したことによるものと見ている。
表2

1〜3月のグレインフェッド牛肉輸出量は減少

 MLAによると、2011年1〜3月におけるグレインフェッド牛肉の輸出量は、5万777トンと前年比1%減となった。
 国別に見ると、日本向けは、東日本大震災などの影響により前年同期比3%減となった。一方、韓国向けは、口蹄疫の影響などから大幅に増加し、同37%増と記録的な水準となったものの、在庫過多となっていることなどから、今後は一服するとみられる。
【伊藤 久美 平成23年5月20日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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