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2011/12年度の冬穀物、前年度を下回るも豊作の見通し(豪州)

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2011/12年度の冬穀物作付け面積は、前年度比3.6%増

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は6月15日、冬穀物および夏穀物の生産見通しを発表した。これによると、2011/12年度(7〜6月)における冬穀物の作付け面積は、高値で推移する国際穀物価格の影響および適度な土壌中の水分により、前年度比3.6%増の2286万ヘクタールが見込まれる。
 品目別でも、小麦は同6.6%増の1426万ヘクタール、大麦は同1.0%増の412万ヘクタール、カノーラは同3.8%増の171万ヘクタールと、良好な生育環境からいずれも増加するとみられる。

2011/12年度の冬穀物生産量は、4000万トン超

 冬穀物生産量は、記録的増産であった前年度を3.0%下回るものの、過去5年平均を30%程度上回る4080万トンと見込まれる。これは、クイーンズランド(QLD)州、ニューサウスウェールズ(NSW)州、ビクトリア州および南オーストラリア州において、夏〜秋期に降水量に恵まれ、作付けが順調に行われたためである。
 また、作付け時期である秋口(3〜4月頃)の降雨量が例年を下回り、作付けの遅れが懸念された西オーストラリア州でも、5月末より十分な降雨があったため、生産量への影響は大きくないと予測される。
 品目別にみると、小麦は前年度比0.6%減の2616万トン、大麦は同13.3%減の809万トン、カノーラは同6.0%増の226万トンと見込まれ、記録的な増産となった2010/11年度は下回るものの、過去5年平均比では、39.2%増、10.5%増、47.4%増と軒並み上回ると見込まれる。
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2010/11年度の夏穀物は、主要3品がいずれも増産

 2010/11年度における夏穀物の生産量は、前年度を72.5%上回る480万トンが見込まれる。これは、NSW州、QLD州南部において、綿実、コメおよびソルガムの作付け面積が増加したためとみられる。ただし、過去5年平均比では、15%程度の増加である。
 品目別でも、綿実は127万トン、コメは81万トン、ソルガムは214万トンと、作付け面積の増加からいずれも前年度を上回るとみられる。
 なお、夏穀物の中でも綿実および綿糸の生産量については、QLD州およびNSW州での洪水被害の影響が懸念されていたが、いずれも前年度を大幅に上回るとみられる。
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【岡田 岬 平成23年6月20日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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