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大雪による生乳生産への直接的な影響は、限定的との見方(NZ)

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6〜7月の生乳処理量は前年同期比1.4%増

 業界筋によると、NZにおける7月の生乳処理量は、1億3500万リットルと前年同月を5.5%下回った。これは多雨によるもので、北島ではすべての地域で前年を下回った。しかしながら6月は、気象条件に恵まれ、前年同月を1割超上回ったことから、2011/12年度(6〜5月)はじめの2カ月では2億3200万リットルと前年同期より1.4%増加した。

8月には大雪により一部の地域で2日間集乳できず

 8月15〜16日にかけて、オークランドで1976年以来の降雪を記録するなど、全国的に大雪に見舞われた。生乳生産に対する直接的な影響としては、降雪によって交通網が寸断され、集乳に支障を来たす地域がみられた。現地報道によると、フォンテラに出荷する酪農家10,500戸のうち約2,000戸で集乳ができず、廃棄などの対応をせざるを得なかった。当該農家が2日間で廃棄などすることとなった生乳は約950万リットルに上回るものの、同国の年間生乳生産量の0.1%に満たないこと、また、17日にはほとんどの地域で集乳が正常化したため、大雪の影響は限定的との見方が強い。
 2011/12年度の生乳生産量は年度当初、「良好な気候が見込まれる」として前年度から約5%の増産が見込まれていた。シーズン2カ月で1.4%の増産にとどまる中、今後は、降雪による牧草の生育への影響がどの程度生乳生産に反映されるかについて、注視していく必要がある。
【岡田 岬 平成23年8月26日発】
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