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中国:7月の消費者物価指数は前年同月から6.5%上昇、豚肉価格は一服

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 中国国家統計局によると、7月の消費者物価指数(CPI、2010年7月=100)は、前年同月比6.5%上昇し、今年最高の伸び率となった。また、地域別では都市部で同6.2%上昇、農村部は、同7.1%上昇した。中国政府は今年通年でCPI上昇率の上限目標を4%としているが、1〜7月の上昇率は5.5%となり、目標達成の困難な状況が続いている。
 特に食品価格の上昇が深刻であり、全国の食品のCPIは前月から0.4ポイント上昇の114.8となった。このうち、肉類および食肉加工品は同1.3ポイント上昇の133.6と食品全体の上昇を押し上げた。一方、卵は同3ポイント下落の119.7、生鮮野菜も6月の14.4ポイント上昇から、7月は同0.3ポイント上昇の107.6にとどまり、価格の上昇はいずれも落ち着きつつある。同局は、夏秋季の収穫が良好であるとの見通しから、第4四半期には食料品の価格は安定すると予測している。
 こうした状況を踏まえ、中国人民銀行(中央銀行)は7月7日、過度の金融引き締めによる景気失速の恐れがある中、インフレ抑制に向けて今年3回目の利上げに踏み切っている。
表
図1

豚肉価格の上昇は一服感

 肉類の中で大きなウエイトを占める豚肉(ばら)価格は、8月上旬時点で1キログラム当たり30.22元(363円、1元=12円で計算)となり、前年同期を49.9%上回った。豚肉(ばら)価格については、今年5月中旬以降急騰し、7月上旬には30元台(360円)に突入した。しかし、7月下旬に、1年近く継続した上昇タームにおいて、初めて下落に転じ、現在も30元台と、高水準ながら一定の落ち着きを見せている。この背景としては、夏場に豚肉の消費量がやや落ち込む季節的な変動があるため、価格上昇の圧力が減少した可能性があること、また、豚肉価格高騰を受けて、ほかの食肉への代替需要が高まったことが挙げられる。
 しかしながら、今後、中秋節(9/10〜12)や春節(1/22〜1/28)前といった豚肉の需要期を控えるため、価格は再度上昇する可能性もある。
 政府(国務院)は7月28日、豚肉価格高騰によるインフレを抑制するために、肉豚生産に対して各種支援策を講じる通知を公表したが、施策の効果が現れ、豚肉供給が改善されるにはまだ時間を要すると考えられる。
図2
【木下 瞬 平成23年8月26日発】
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