畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2011年 > 韓国鶏肉需給の現状と今後の見通し(2011年8月現在)

韓国鶏肉需給の現状と今後の見通し(2011年8月現在)

印刷ページ
 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが8月25日に公表した2011年9月号の畜産観測(ブロイラー編)に基づき、韓国の鶏肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

素ひな生産羽数は前年を下回る

 ブロイラーの飼養羽数は2011年5月以降前年を上回って推移したが、秋夕(チュソク:韓国のお盆)後の需要減少を見込み、2011年8月の素ひな生産羽数は、前年同月比2.8%減の4342万羽となり、前年同月に比べて大幅に増加して推移してきた飼養頭数も、9月には同0.4%増の7157万羽にとどまると見込まれる。
 また、8月のブロイラー出荷日齢は、33.06日齢と前年同月よりわずかに早まったものの、出荷体重は同5.9%増加の1.57キログラムになるとみられる。


 機構注:韓国のブロイラーは参鶏湯(サムゲタン)に代表される伝統的なスープ用途が多いため、小さい鶏を好む傾向がある。そのため、日本のものと比べ出荷体重は1キログラム以上軽い。
表1 素ひなの生産状況

 年/月

生産羽数(万羽)

前月比(%)

6月

7月

8月

7月/6

8月/7

2011年(A

7,085

6,293

4,342

88.8

69.0

2010年(B

6,691

6,248

4,468

93.4

71.5

A/B(%

105.9

100.7

97.2

資料:大韓養鶏協会
 注:2011年7、8月は配合飼料生産量から推定している。

表2 ブロイラーの飼養羽数の見通し

 年/月

飼養羽数(万羽)

前月比(%)

7月

8月

9月

8月/7月

9月/8月

2011年(A)

12,258

9,028

7,157

73.6

79.3

2010年(B)

11,349

8,625

7,127

76

82.6

A/B(%)

108.0

104.7

100.4

資料:韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センター、統計庁
 注:2010年および2011年9月は統計庁発表値、その他は農業観測センター推定値

処理羽数は堅調に推移

 9月の処理羽数は、飼養羽数が前年を上回って推移しているため、前年同月比0.5%増の5544万羽と見込まれる。今後も前年を上回って推移するとみられ、供給過剰が懸念されることから、生産調整局面の状況にある。
表3 処理羽数の推移(単位:百万羽)

 年/月

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2009

44

45

50

55

60

69

83

65

57

49

48

55

2010(A)

48

46

54

59

66

74

86

64

55

54

57

62

2011(B)

57

42

53

59

73

79

93

68

55 

 

 

 

B/A (%)

118.8

91.3

98.1

100

110.6

106.8

108.1

106.3

100.5

     
資料:農林水産食品部
 注:2011年7月以降は農業観測センターの推定値

価格は供給増により下落基調で推移

 8月(24日まで)の価格は、代替需要の増加や7月の大雨による一時的な供給減少に伴い、前年同期比4.6%高の生体1キログラム当たり1,866ウォン(136円:100ウォン=7.3円(8月末TTSレート))となった。
 9月の価格については、輸入量の減少、飼料価格の上昇および需要の増加など上昇要因はあるものの、処理羽数増による供給量の増加により、前年を下回る1,500〜1,700ウォン(112〜127円)と見込まれる。
1

鶏肉輸入量は無税輸入枠の設定により前年同月比43.4%増

 2011年7月の鶏肉全体(HSコード:0207)の輸入量は、無税輸入枠の設定により大幅に拡大した前月から6.5%減となるものの、前年同月比では43.4%増の11,781トンとなった。
 このうち、輸入の大部分を占める冷凍鶏肉(同:020714)については、米国に次ぐ第2位の輸入元であるブラジルが同37.8%減の1,839トンとなった一方、米国は同107.0%増の9,313トン、デンマークは同41.3%増の373トンとなり、合計では前年を49.7%上回る11,628トンとなった。
 今後の輸入については、国内在庫量の増加や国内価格の下落により減少傾向で推移し、9月は同%21.0減の5,881トンと見込まれる。
2
【藤井 麻衣子 平成23年9月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532