畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2011年 > 韓国牛肉需給の現状と今後の見通し(2011年8月現在)

韓国牛肉需給の現状と今後の見通し(2011年8月現在)

印刷ページ
 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが8月25日に公表した2011年9月号の畜産観測(肉用牛編)および韓国貿易統計に基づき、韓国の牛肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

12月減少予測も依然、韓牛飼養頭数は前年比増

 今年に入り飼養頭数は堅調に推移しており、6月も前年同月比5.7%増で305万頭と増加した。韓牛飼養頭数は2010年9月より減少傾向にあったものの、6月は290万頭と増加に転じた。2010年11月に発生した口蹄疫の影響により、人工授精等が実施できなかったため、2011年9〜11月の子牛生産頭数(出生頭数)が大きく減少するものと見込まれる。このため、2011年12月での肉用飼養頭数は減少するものと見込まれる。
表
図

価格下落により、消費拡大

 4月以降は供給過剰対策(平成23年6月16日機構ホームページ掲載)の一環としての韓牛業界の大規模割引イベントによる小売価格の値下げにより、牛肉1kgあたりの卸売価格(枝肉ベース)は、8月(23日まで)1++等級が16,423ウォンで前年比19.1%、1+等級は14,340ウォンで同19.1%、以下等級も18〜29%で下落した。価格の下落は、消費者の購買意欲を刺激し、減退する夏季の購入量増加に貢献した。
 秋夕(9月11〜13日)や年末の需要増加が予測され、9〜11月の1等級牛肉1kgあたりの卸売価格は13,000〜14,500ウォンと6〜8月の価格より上昇するものと見込まれる。

補足)韓国では歩留等級と肉質等級による格付が行われており、等級は良い順に1++等級、1+等級、1等級、2等級、3等級の5段階で表示される。
図

2011年7月までの累計輸入量、大幅増加

 2011年1〜7月の牛肉全体(HSコード0201および0202)の輸入量は、口蹄疫発生の影響により、172,242トン(前年同期比17.8%増)と大幅に増加している。冷蔵牛肉の輸入先国は、豪州(21,163トン)と米国(5,496トン)で、全体(26,907トン)の99.0%を占めている。冷凍牛肉の輸入先国は、豪州(63,037トン)、米国(58,743トン)、ニュージーランド(21,069トン)で、全体(145,335トン)の98.3%を占めている。豪州、米国、ニュージーランドの3カ国より韓国の輸入牛肉が調達される。
 冷凍牛肉の各部位(骨付きショートリブ、骨付きその他、骨なし)における2011年1〜7月の輸入量は、前年同期と比べ、骨付きその他部位は減少し、骨付きショートリブと骨なしの部位が増加している。
 輸入牛肉の在庫量に余剰が生じており、向こう3か月(9〜11月)の輸入牛肉予測数量は6万トンと前年同期間(5万4千トン)比1割増と見込まれ、今年に入り推移してきた月別輸入量と比較するとやや減少に転じると予測される。
図
表
【植田 彩 平成23年9月9日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4389