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中国:8月の消費者物価指数は前年同月から6.2%上昇、豚肉価格は再上昇

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 中国国家統計局によると、8月の消費者物価指数(CPI、2010年8月=100)は、前年同月比6.2%上昇し、依然として高い水準で推移している。地域別では都市部で同5.9%上昇、農村部は、同6.7%上昇した。また、1〜8月のCPI上昇率は前年同期比5.6%となり、中国政府が掲げる通年の上限目標4%を大きく上回る状況が継続している。
 全国の食品のCPIは前月から1.4ポイント下落の113.4となった。食品の中で最大の比重を占める肉類および食肉加工品については同4.3ポイント下落したものの、129.3と高い水準にある。生鮮野菜については、夏季の収穫が良好であったことから価格が安定し、同3.6ポイント下落の100.1と前年並みに近づきつつある。ただし、北京、江蘇、湖北、山西については、8月の長雨による収穫量減により、今後価格が上昇するおそれもある。このほか、穀物類は同0.2ポイント下落の112.2、卵は同3.4ポイント下落の116.3となった。食品価格の上昇はいずれも落ち着きつつあるが、CPI全体を押し上げる構造に変化はない。
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中秋節を迎え、豚肉価格は再度上昇

 肉類の中で大きな比重を占め、上昇幅の大きな豚肉(ばら)価格については、夏場の不需要期に入ったことから、7月下旬には1年近く継続した上昇タームにおいて、初めて下落に転じた。しかし、その後は中秋節(9/10〜12)に向けて価格は再度上昇基調に転じ、9月中旬時点で前年同期比48.9%高の1キログラム当たり30.71元(368円、1元=12円で計算)となり、今年の最高値を更新した。また、価格は現在も30元台と、庶民にとっては購入しづらい水準で推移しているため、豚肉に比べて安価な鶏肉などへの代替需要が高まっている。
 中国農業部は、中秋節以降、10月末にかけては、豚肉の不需要期にあたるため、再度価格は緩やかに下落していくものと見ている。また、豚の飼養頭数も緩やかな増加傾向にあるものの、11月頃から春節(1/22〜1/28)をピークとする最需要期に入るため、需給がひっ迫し価格は再度上昇する可能性もあるとしている。
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【木下 瞬 平成23年9月30日発】
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