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フィードロット飼養頭数、飼料穀物価格安などを背景に増加(豪州)

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フィードロット飼養頭数(2011年12月時点)は、前年同期比7.3%増

 豪州フィードロット協会(ALFA)は2月20日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2011年12月期)を公表した。これによると、2011年12月末時点の総飼養頭数は79万1千頭となり、前年同期比では7.3%増、前回調査(2011年9月末:71万4千頭)比では10.8%増となった。州別では、南オーストラリア(SA)州を除く全州が、前回調査から増加した。この要因は、飼料穀物価格が前年よりも概ね1割以上下回ったことが影響している。飼料穀物価格が下落した背景には、小麦が豊作になったことに加え、品質が降雨によって低下し、飼料向けが増加したことがあるとみられる。
 一方で、2011年10〜12月の肥育素牛(feeder steer:330〜400キログラム)の平均価格は前年を1割ほど上回る生体重1キログラム当たり約240豪セント(199円:1豪ドル=83円)になるなど、素牛の導入には厳しい状況であった。
フィードロット飼養頭数
州別フィードロット飼養頭数

10〜12月期のグレインフェッド牛肉輸出量は、前年から1割以上の減少

 ALFAは、12月期の飼養頭数は増加したものの、輸出量が減少したことから、依然としてフィードロットを取り巻く環境は厳しいとしている。
  MLAによると、2011年10〜12月におけるグレインフェッド牛肉の輸出量(船積重量ベース)は、高値で推移した豪ドルを反映し、前年同期比12%減の4万4508トンとなった。最大の輸出先である日本向けは、同13.1%減(3万4053トン)となった。うち冷蔵は同8.5%減(2万3848トン)となった。これは、米国との競合とみられ、日本における米国産冷蔵牛肉の輸入量は、前年を5割ほど上回った。また、冷凍は同22.2%減(1万206トン)と、同国産冷凍グラスフェッド牛肉(同20.6%増)との競合などにより、減少したとみられる。
【岡田 岬 平成24年2月21日発】
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