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2012年の牛肉生産量はやや増加の見通し(アルゼンチン)

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2012年の生産量は3年ぶりに増加見込み

 アルゼンチン牛肉振興機関(IPCVA)によると、2012年の牛肉生産量は前年より10万トン増の約260万トンで、3年ぶりに増加に転じると見込まれている。2009年に発生した干ばつの影響により、牛肉生産量は減少基調で推移していたが、2012年は飼養頭数が前年より100万頭増の4900万頭とやや回復し、生産量の低迷に歯止めがかかるとみられている。
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2012年は牛肉生産量増加のターニングポイント

 生産量増加見通しの背景としては、雌牛のと畜頭数減少が挙げられる。IPCVAによると、2010年後半から2011年12月にかけて、雌牛のと畜割合は、過去10年間で最低水準となった(図1)。これは、素牛価格高騰を背景として、生産者が飼養頭数を回復させるため、雌牛の保留が進んでいるためである。
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 最近、雌牛の保留傾向が強まり、2011年10〜12月の間、前年を上回る水準で推移している。アルゼンチン牛肉・牛肉副産物産業および取引会議所(CICCRA)によると、12月の牛肉生産量は前年比16%増の246万トンと、2011年における最高生産量を記録し、2012年の生産量増加の兆しがみられ始めた(図2)。
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  また、生産量の増加見通しは、と畜重量の上昇もある。IPCVAによると、素牛価格高騰を背景に平均と畜重量が増加傾向にあり、生産量の増加につながる。2010年の平均と畜重量は約221キロであったが、2011年は約229キロと約8キロ近くも増加した。
 今後も雌牛の保留傾向が一層進めば、牛肉生産量は、底を打った2011年から徐々に増加するものと考えられる。
【柴ア 由佳 平成24年2月28日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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