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アルゼンチンの牛肉需給動向(2012年第1四半期)

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と畜頭数の増加から生産量は前年同期を上回る

 アルゼンチン牛肉・牛肉副産物産業および取引会議所(CICCRA)によると、2012年第1四半期のと畜頭数は前年同期比7.1%増の2,871万頭となった。中でもめす牛のと畜割合が低く、2010年10月以降40%を下回って推移しており、2012年第1四半期では39.2%であった。牛群の再編に向け、生産者によるめす牛保留の傾向が強いものとみられる。
 牛肉生産量は前年同期比5.0%増の643,000トンとなった。と畜頭数は増加したものの1頭当たりと畜重量は同2.1%減の224キログラム(枝肉重量ベース)と低下しており、生産量の増加にブレーキをかけている。
 
  
 

牛肉供給量のうち国内消費の占める割合がさらに増加

 国内消費量は前年同期比8.1%増の594,821トン(枝肉重量ベース)となった。牛肉供給量全体における国内消費の割合は、輸出量が減少したことなどから、2011年第1四半期は89.8%であったのに対し、2012年同期は92.4%に達した。
 1人当たり牛肉消費量は前年同期比7.1%増の57.7キログラムとなった。過去最高となった2007年同期の67.8キログラムと比べると14.9%減である。

輸出量は前年同期を大幅に下回る

 輸出量は前年同期比21.9%減の31,589トン(製品重量ベース)となった。このうち、冷凍・生鮮肉は同24.7%減の23,266トンとなり、当期の輸出量全体に占める割合は41.7%から39.5%に減少した。主要な輸出先は、チリ(輸出量シェア26.4%)、イスラエル(同25.9%)、ロシア(同20.1%)であり、輸出量が前年同期を上回ったのはチリのみであった。また、これまで最大の輸出先であったイスラエルは前年同期比31.8%減となり、チリに次ぐ2位となった。
 EU向けのヒルトン枠(EU向け骨なし高級生鮮牛肉の低関税割当枠)は同24.7%減の5,343トンとなった。2011/12年度(2011年7月1日〜2012年6月30日)の割当数量は29,375トンだが、これまでのところ、11,982トンと割当の約4割にとどまっており、残り3か月で達成される見込みは薄いとみられる。
【横打 友恵 平成24年5月31日発】
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