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欧州委、EUにおける穀物需給2011/12および2012/13を発表

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 8月30日、欧州委員会は穀物需給に係る管理委員会が開かれ、「EUにおける穀物需給2011/12および2012/13予測」を発表した。
これによると、EUの一部地域では干ばつの影響があるものの穀物生産量は2億7900万トンに達する見込みであり、これは過去5か年平均を2%下回る。2007/08年の不作時と比べると2500万トン多いことになる。
 軟質小麦の見通しは、1億2700万トンで過去5か年平均とほぼ同程度である。また、とうもろこしの見通しは、6000万トンで過去5か年平均より2%増加の見込みである。
世界の需給見込みは、米国の干ばつの影響により先月の見込みよりも穀物生産量が減少し、需給ひっ迫により8月のとうもろこし価格は記録的な水準となっている。期末在庫は、3300万トン減少して3億3800万トンとなる見込みである。
 また、現在の世界在庫/消費割合は2011年と同程度の20%から19%と僅かな減少であり、引き続き高価格と激変の可能性が見込まれている。
 欧州委員会農業・農村開発を担当するダチアン・チオロシュ委員は、「農業と食品市場に関する最近の動向は、更なるCAP(Common Agricultural Policy :共通農業政策)の必要性を示している。過去数週間にわたる世界のいくつかの地域における干ばつは、主にとうもろこしと大豆の劇的な価格上昇をもたらし、欧州農業の特定のセクターを不安定化の危機にさらしている。この市場の過度の変動は、農業投資、公共経営方針や予見可能性が必要であることを明確にしている。気候変動や増大する食糧需要に対処するためには、持続可能な方法によりEUの農業の可能性がもつ多様性を価格政策に反映することが非常に重要である。また、世界の他の地域、特に開発途上国における食料安全保障の向上のための野心的な農業政策の推進に寄与することが重要である。」と述べた。
※ 管理委員会は、EU委員会内に置かれ、加盟国の代表とEU委員会の代表から構成されている。農業分野の管理委員会は、農産物市場の管理に関し、EU委員会の計画に意見を付す。
穀物需給表2011/2012
穀物需給表2012/2013
2012穀物生産量

EU域内で単収に差

 欧州委員会の広報誌である「MARS:欧州における作物モニタリング」によると、欧州南部および南東部地域の天候および作物の生育状況は、7月中旬から8月中旬の高温と降雨不足で特徴づけられた。乾燥した天候は、冬穀物の収穫を早め、夏穀物の生育に被害を与えた。このような厳しい状況を反映して、スペイン、イタリア、ハンガリー、ルーマニアおよびブルガリアで平均収量以下となる見込みであるとしている。
 また、北部および北西部地域では、例年より気温が低く、アイルランドと英国北部の多湿だった地域を除き、7月上旬の降水量が例年と比べて少なかった。乾燥した天候は、冬穀物の収穫を早め、夏穀物の成長には良好な気象条件となった。
 結果的に、天候不良はとうもろこしの単収を現時点で前年比17.7%の減少をもたらし、特にルーマニア、ブルガリアおよびハンガリーで大幅な減少となったとしている。
品目別予測
【矢野 麻未子 平成24年9月5日発】
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