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価格の低迷から豚肉備蓄量を倍増(韓国)

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1.2月28日まで1日3000頭分の豚肉を備蓄

 韓国農林水産食品部は、豚肉価格(卸売価格)の低迷から価格安定を目的に、1月28日から1か月間、1日当たり3000頭分の豚肉(精肉ベースで150トン(試算値))を備蓄すると発表した。
 この豚肉備蓄制度は、豚肉価格が1キロ当たり3500ウォン(300円:100ウォン=8.58円)の買入基準価格を下回った場合、農協が一定量の備蓄(3カ月間)を実施するもの。2012年9月の価格下落した際にも備蓄を実施し、11月以降は価格の押し上げに一定の効果が見られた。
 しかし、年末から再び豚肉価格が下落し始めたため、本年1月7日から同1500頭で実施したものの、回復の兆しが見えないことから1月28日より備蓄量を2倍にした。
図1

2.豚肉価格の下落要因

 韓国の豚肉供給量は、ここ数年、100万トン程度(部分肉ベース)で推移しているが、2012年は106万トン(同)となり、国内生産量も78万トン(同)と口蹄疫(FMD)発生前の水準まで回復した。
図2
 韓国農林水産食品部によれば、FMD発生後、豚肉の輸入量が急増し、あわせて経営を再開した養豚農家が無税枠輸入を活用して母豚を導入し、この母豚から生まれた豚が同時に出荷時期を迎えたことから国内の豚肉市場は供給過剰傾向にある。
 さらに、景気低迷により外食を控えるなど消費減退が、豚肉価格の低迷に影響を及ぼしているとのことである。
【宗政 修平 平成25年2月12日発】
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