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11月の中国の消費者物価指数、食品価格の上昇で前年同月比3.0%上昇 (中国)

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 中国国家統計局は12月9日、2013年11月の消費者物価指数(CPI)ついて、前年同月比で3.0%上昇したことを発表した。CPIは、本年3月以降2%台で推移していたが、9月以降3カ月連続して3%台となった(前年同期比(1〜11月期平均):2.6%増)。 
 
 内訳を見ると、非食品価格が同1.6%の上昇であったのに対し、食品価格は同5.9%上昇したことで、CPIの上昇幅を約1.92ポイント押し上げた。そのうち、野菜は同22.3%と大幅に上昇し、CPIを約0.59ポイント押し上げた。また、豚肉が同5.0%、牛肉が同16.6%上昇するなどして、肉類および食肉加工品全体で同5.5%上昇となった。さらに、飲用乳および乳製品は8.6%上昇するなど、食品全般で価格が上昇した。

 一方、前月比では、食品価格は前月比0.2%下落した。牛肉や飲用乳および乳製品は、0.7%と1.3%と上昇したものの、野菜や豚肉はそれぞれ0.5%と3.8%と下落した。
表1
グラフ1
グラフ2
 依然高まりを見せる牛肉需要に対し、牛肉の輸入量は急増している。2013年1〜10月の牛肉輸入量は、前年同期比632.9%増の22万5313トンとなった(HSコード0202)。米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が9月27日に公表した「China-Peoples of Livestock and Products Annual」によると、本年3月に上海市で確認された河川での豚の死骸遺棄事件が依然影を落とし、消費の一部が牛肉や水産品にシフトしているとしている。このような状況のもと、年明けの春節に向けて、牛肉需要は高まる傾向にあり、輸入量の増加や価格の上昇は、今後も持続基調にあるとみられている。また、現地報道によると、同国訪問中であったブラジル政府関係者は11月9日、訪問先の北京での記者会見で、ブラジル産牛肉の輸出可否について、本年12月に中国からブラジルに調査員が派遣されることを発表した。2012年末のBSE確認以降、中国でのブラジル産牛肉の輸入禁止が続いているが、ブラジル産牛肉の輸入が再開されることで、輸入先国の選択肢が増えることとなる。数量および価格の両面での国内供給の安定が図られることから、中国における今後の牛肉輸入の動向が注目されている。
表2
【山ア 博之 平成25年12月11日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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