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2013/14年度の牛肉輸出量、2年連続で過去最高を更新(豪州)

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 豪州農漁林業省(DAFF)は7月2日、2013/14年度(7月〜翌6月)の食肉輸出統計を公表した。これによると、同年度の牛肉輸出量は118万4432トン(前年度比16.8%増)と、2年連続で過去最高を更新した(図1)。
 肉牛主産地であるクイーンズランド州を中心とした干ばつによる早期淘汰からと畜頭数が増加し、輸出量の増加へとつながった。また、2010年以降の牛群再構築や2011年以降の生体輸出頭数の減少により、肉牛飼養頭数が干ばつ進行以前の2012年まで高水準にあったことも、と畜頭数の増加を後押しした。同年度の東部州の1週当たり平均と畜頭数は15万頭超(同16%増)と、前年度を大幅に上回っている。
図1

中国向けが第3位に躍進

 主要輸出先を見ると、日本向けが27万9701トン(前年度比6.4%減)と前年度を下回る中で、米国向け26万5920トン(同28.7%増)、中国向け16万440トン(同73.9%増)、韓国向け15万5656トン(同13.0%増)といずれも増加した(表)。
 特に、中国向け輸出の伸びが目立っており、2013/14年度は韓国向けを上回って第3位の輸出先となっている。また、豪州国内の報道によると、中国は、国内産牛肉の供給減によって稼働率が低下すると畜場で部分肉処理を行うために、枝肉(4分体)輸出量を増加させているとしている。輸出量の内訳を見ると、枝肉は全体の14%を占める2万2483トン(同4.3倍)と伸びている。
 主要輸出先以外では、インドネシア向けが2013年後半以降、同国の肉牛飼養頭数の減少や牛肉価格高騰を背景に増加した。また、サウジアラビア向けは、2012年12月のBSE発生以降、ブラジル産の牛肉輸入を停止していることが増加につながったとみられている。
表1

冷凍牛肉輸出量が大幅増

 近年の冷蔵・冷凍別牛肉輸出量の推移を見ると、冷蔵がほぼ横ばいで推移する一方、冷凍の増加が目立っている(図2)。2013/14年度は、冷蔵が27万2682トン(前年度比2.9%増)、冷凍が91万1750トン(同21.8%増)となった。
 豪州の冷蔵牛肉輸出量の4割以上を占める日本向けが減少する中、加工向け牛肉が大半の米国向けや、冷凍での流通が主体の中国や東南アジアなどに向けた輸出の増加が見込まれており、今後も冷凍の輸出が堅調に推移するとみられている。
図2
【伊藤 久美 平成26年7月4日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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