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FAO:世界食料価格指数、10月は前年から上昇

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国連食糧農業機関(FAO)が11月6日に発表した世界の食料価格指数(注)によると、2014年10月の各品目の平均値は、前年同月を6.9ポイント下回る208.9ポイントとなり、下落傾向が続いている(図1)。
図1

主要品目は下落も依然、食肉は上昇基調

 FAOによると、食肉は前年同月から大幅に上昇しているものの、乳製品、砂糖、油脂、穀物が下落したことから、全体では前年同月を下回る結果となった。  最も上昇幅が大きかった品目は、7カ月間連続で前年水準を上回って推移している食肉で、前年同月を11.5ポイント上回る208.9ポイントとなった(図2)。この上昇の最も大きな要因として、牛肉価格の上昇が挙げられ、世界的な牛肉需要が増加する中、主に主要食肉生産国である米国の減産が影響しているものとみられている。一方、豚肉価格は7月以降、米国などでの豚流行性下痢(PED)の発生が低下し、生産量が回復しつつあることを受け、上昇幅は落ち着きを見せている。なお、鶏肉価格はおおむね横ばいで推移している。
図2
 低下した品目を見ると、最も下がり幅が大きかったのは、6カ月連続で減少している乳製品で、前年同月から26.6ポイント下回る184.3ポイントとなり、2012年8月以来の低水準となった。この下落要因として、主要乳製品生産国であるEUや米国で増産傾向にあるバターや脱脂粉乳価格の下落が影響している(図2)。
 穀物は、主に米国での穀物生産見込みが上向きになったことにより、トウモロコシや小麦の価格などが低下したことが影響し、前年同月から9.3パーセント下回る178.4ポイントとなった。 
砂糖は、ブラジルで干ばつにより減産が見込まれるものの、インドやEUなどで増産見通しとなっていることから、前年同月を10.3%下回る237.6ポイントとなった(図3)。

注1:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
注2:FAOの公表では食料価格指数の変動要因が明らかにされていない場合もあることから、当機構の分析を適宜追加している。
図3
【山神 尭基 平成26年11月17日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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