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米国での豚流行性下痢(PED)の新規発生農場数、昨年末から大幅に減少

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 米国における豚流行性下痢(PED)の発生は、冬の気温の低下に伴い、増加することが懸念されていたが、米国農務省動物検疫局(USDA/APHIS)が1月29日に公表した「Swine Enteric Coronavirus Disease Situation Report」によると、昨年12月中旬以降、大幅に減少して推移していることが明らかとなった。
 1月18日の週の新たに発生が確認された農場は、ペンシルベニア州の1農場のみ(速報値)となっており、全米で最も豚の飼養頭数が多いアイオワ州では発生はない。このように新たな発生農場は大幅に減少しているが、既に発生した農場では感染が繰り返されているものの、防疫体制の強化などにより、農場間での感染拡大は抑えられているものとみられる。
 なお、2014年6月5日以降、PEDおよびコロナウィルスの発生について報告が義務付けられ、農場単位での感染状況を的確に把握できるようになった。それ以前の統計は、単に、検査機関に持ち込まれた検体のPED陽性数が示されるだけであり、発生状況を正確に示したものではなかった。
 また、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2014年12月1日現在の豚飼養頭数は6605万頭と、前年に比べて増加(前年比2.0%)した。米国農務省経済調査局(USDA/ERS)は、繁殖母豚の増加のほか、産子頭数の回復、安価な飼料穀物価格による肥育期間の延長などにより、2015年の豚肉生産量を前年比4.6%の増加と見込んでいる。
PED発生状況
【渡邊 陽介 平成27年2月6日発】
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