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2014/15年度主要穀物の生産状況等調査結果(第5回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2月12 日、2014/15 年度(10 月〜翌9月)第5回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を発表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月発表するものである。
 これによると、2014/15 年度の主要穀物の作付面積は、5739 万ヘクタール(前年度比0.6%増)と見込まれている。このうち、大豆は、3150 万6800 ヘクタール(同4.4%増)と増加が予測されており、生産量は過去最高の9457 万7200 トン(同9.8%増)が見込まれている。
 一方、第1 期作のトウモロコシの作付面積は、昨年度に引き続き大豆への転換が進むとの見込みを受け、618 万4900 ヘクタール(同6.5%減)と減少が予測されており、生産量は3012 万4300 トン(同4.8%減)が見込まれている。
表1
参考

第1期作トウモロコシ生産量、前回報告から48 万トン上方修正

 
 2014/15 年度のトウモロコシ生産は、2013/14 年度に米国などの豊作を受けてトウモロコシの国際相場が低価格で推移し、ブラジルでも収益性が乏しかったことから作付面積が減少し、生産量も微減が見込まれている。
 第1期作トウモロコシは、例年、8月下旬頃から南部より順次作付けされる。今回の調査結果では、作付けの進展を反映し、第1 期作トウモロコシの生産量が前回報告から48 万トン上方修正されたものの、前年比4.8%減の3012 万4300トンが見込まれている。
 州別の作付状況を見ると、トウモロコシの主要生産地である南部、南東部のすべての州で作付面積が前年度を1〜2割下回ると予測されるほか、中西部のゴイアス州でも同23.0%の減少が見込まれている。また、州別の単収を見ると、高温乾燥の影響で南東部や中西部が前回報告より下方修正された。一方、水分過多気味とされていたリオグランデドスル州の天候が良化したことを受けて単収が大幅に改善し、国内の第1期作トウモロコシ生産量を押し上げる要因となった。
 CONAB は、新興農業開発地域である北東部を中心としたマトピバ地域の2014/15 年度第1期作のトウモロコシ生産量について、同11.4%増を見込んでいる。この要因として、作付面積の拡大に加え、作付けが順調に進展したことで、単収が前回報告から大幅に改善したことを挙げている。なお、マトピバ地域では大豆の生産も拡大しているが、輪作作物としてトウモロコシが選択される状況にあり、トウモロコシの生産も拡大している状況にある。
 併せて、今回の報告では、同国で生産されるトウモロコシの90%以上が遺伝子組み換え(GM)品種であることも添えられている。
表2
表3

大豆生産量、過去最高を更新の見込みも前回から下方修正

 
 一方、大豆は、引き続き増産が予測されており、2014/15 年度は、前年度比9.8%増の9458 万トンと過去最高を更新する見込みである。この要因として、国際価格は下落しているものの、生産コストや生育リスクが低く、他の作物よりも収益性が高いことが挙げている。
 例年、大豆の作付けは、9月頃から順次開始され、12 月までにほぼ終了する。今年度は、10 月中旬頃まで乾燥傾向が続き、主要生産地の一部でも作付けが遅れたものの、11 月以降は天候が回復し、その後の生育は良好とされていた。しかしながら、今回の報告では、中西部においては11 月後半から1 月にかけて高温乾燥の影響で生産性が低下して生産量が落ち込み、国内の大豆生産量も前回報告から134.2 万トン下方修正された。
 CONAB は、これまで大幅な伸びを記録してきたマトピバ地域について、2014/15年度の大豆生産量は作付面積の拡大と単収増により、大幅な増加を見込んでいる。
表4
表5
【米元 健太 平成27年2月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8609