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USTR、インドネシアの輸入制限措置をWTOに提訴

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 米通商代表部(USTR)は3月18日、インドネシアが導入している果物、野菜、食肉などの輸入制限措置について、世界貿易機関(WTO)に対し、紛争解決小委員会(パネル)を設置するよう要請したことを明らかにした。これまで米国は、WTOの紛争解決手続きに基づいて数回にわたりインドネシアと2国間協議を行ってきたが、これらが不調に終わったため、パネル設置の要請に至っている。なお、米国はこの紛争でニュージーランド(NZ)とも緊密に連携しており、NZ側もWTOに対してパネルの設置を要請している。

 今回、USTRが問題としている措置は、インドネシアが2012年から農産品について貿易制限を行うための輸入ライセンス要件を設定し、その後、数回にわたり要件を厳格化するなどで、実質的に輸入規制を強化したことにあるとしている。また、インドネシアは特定の輸入品目を特定の期間だけインドネシア国内で販売禁止する措置も取っていた。
 この措置によって影響を受ける米国産農産物には、りんごやぶどうなど果実類、ジャガイモやタマネギなどの野菜類、乾燥果実や乾燥野菜、花卉、ジュース、牛肉、鶏肉(注)が含まれる。USTRによると、インドネシアの輸入制限措置によって、2014年は2億ドル(約240億円)の損失が発生したとしている。


(注)インドネシアは、現在、米国産牛肉のセカンダリーカット(高級部位以外の肉)および鶏肉(カット品)の輸入を禁止しており、今回のパネル提訴には、これらの品目の輸出解禁も要請するものである。
【木下 瞬 平成27年3月20日発】
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