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改正食品安全法の育児用調製粉乳規制を強化へ(中国)

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 中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)は12月9日、10月1日に施行された改正食品安全法(以下「改正食安法」という)の施行規則となる「食品安全法実施条例(注1)(案)」のパブリックコメントの募集を開始した。CFDAは、これまで育児用調整粉乳(以下「育粉」という)を含む健康食品などの管理監督を行ってきたが、改正食安法により、国務院の4部門(注2)が行っていた食品製造、流通、飲食サービスの各段階の監督管理、許可についても一元的に担うこととされている。
 同条例案には、育粉の規制内容が盛り込まれた。具体的には、育粉メーカー1社当たりの届出可能な件数の上限について、国務院が改正食安法に併せて見直した「育児用粉乳の配合登録管理規定(試行)」(以下「試行管理規定」という)では5シリーズ15種類の配合とされていたが、3シリーズ9種類に変更された。また、試行管理規定では配合成分の変更を条件に認められていた受託生産(OEM)や、OEM製品との重複販売を防ぐための販売地域の制限についても禁止になるなどの規制も加えられた。
 CFDAが生産許可証を発行している育粉メーカーは、国内外合わせて176社(国内メーカー103社、国外メーカー73社)で、合計4000シリーズ(ブランド)以上の育粉が販売されているが、同条例が施行された場合、8〜9割のブランドは市場から姿を消すことになるとみられている。
 なお、パブリックコメントの締切は2016年1月8日とされ、同条例が施行された時点で、試行管理規定からの変更点が反映される(注3)

注1:機関の職権に関する法令。ここでの機関はCFDAを指す。
注2:品質監督部門、工商行政管理部門、国家食品薬品監督部門、衛生行政部門。
注3:試行管理規定第49条で、試行管理規定の解釈については、CFDAが行うとされている。
【伊澤 昌栄 平成27年12月22日発】
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