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トウモロコシの政府備蓄量が過去最高を記録(中国)

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 現地報道によると、中国の2015/16年度(10〜翌9月)のトウモロコシ生産量は、作付面積の増加により2億758万トンと見込まれている。政府備蓄や民間在庫による期首在庫も1億5498万トンと大幅に増加していることから、同年度の総供給量は、前年度より17.8%増の3億6456万トンと見込まれている(表1)。
表1
 一方、期末在庫は、前年度を23.3%上回る1億9114万トンと2007年に政府による国家臨時備蓄買付制度(注1)(以下「備蓄制度」という)が始まって以来の最高となり、生産量に匹敵する水準となる見込みである。
 過剰在庫となった要因として、備蓄制度における買入価格が年々引き上げられたことで、生産者の作付け意欲が高まり増産が続いた中、総需要量がおおむね安定して推移していたことが挙げられる(表2)。在庫を消化する前に当年度産が収穫されるため、新たな在庫が積み上がる構造となっている。

注1:価格維持のための備蓄制度。価格低落時に農家から買い付け、価格高騰時に市場に放出。
表2
 このため政府は、2016/17年度のトウモロコシ買入価格を前年度より0.4元引き下げの1キログラム当たり1.6元(30円:1元=19円)にすることで、生産者の政府増産意欲を低下させ、政府在庫量のさらなる積み増しを回避するとしている。また、生産調整として、同年度のトウモロコシ作付面積を67万ヘクタール程度削減し、2020/21年度には、主産地(注2)以外の作付面積を、現在の約1100万ヘクタールから667万ヘクタール程度に抑制するとしている。

注2:黒竜江、吉林、遼寧、河北、山東、河南および内モンゴルの6省1自治区。
【伊澤 昌栄 平成28年2月2日発】
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