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豪州の穀物生産予測、小麦を中心に、大麦、ソルガムも増加

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は2月、最新の穀物生産予測を発表した。

夏作物の生産予測、ソルガムはわずかに増加

 2015/16年度(7月〜翌6月)の夏作物(2015年10月〜2016年1月にかけては種、2016年3〜4月にかけて収穫)の生産予測は、作付面積は、123万9000ヘクタール(前年度比5.2%増)と、綿実を中心に前年度を上回るものの、生産量は、394万5000トン(同5.9%減)と、米を中心に前年度を下回ると見込まれている(表1)。
 また、生産量の過半を占めるソルガムの作付面積は、71万2000ヘクタール(同2.5%減)と、主要生産州であるクイーンズランド(QLD)州において、12月の降雨が平年を下回ったことが影響し、前年度を下回ると見込まれている。一方、生産量は、224万トン(同2.8%増)と、2月以降、平年を上回る降雨により、単収の増加が予測されていることから、前年度を上回ると見込まれている。
 なお、2月から4月にかけては、降雨量は平年を上回り、日中の気温は平年を下回ると予測されており、これまでの全国的な高温乾燥気候に比べ、生産環境は一定の改善が見込まれている。
表1

冬作物の生産予測、小麦、大麦ともに増加

 2015/16年度の冬作物(2015年3〜6月にかけては種、2015年10月〜2016年2月にかけて収穫)の生産予測は、作付面積は、2207万5000ヘクタール(同3.4%増)、生産量は、3949万9000トン(同3.9%増)と見込まれている(表2)。
 このうち、生産量の約6割を占める小麦については、作付面積は1272万8000ヘクタール(同4.7%増)、生産量は2421万9000トン(同5.0%増)と、ともに前年度を上回ると見込まれている。最大の生産州である西オーストラリア(WA)州では、作付面積は前年度を上回るものの、2015年11月から翌2月にかけて極端に多い降雨量となり、単収は前年度を下回る結果、生産量は、ほぼ前年度並みと見込まれている。一方、第2の生産州であるNSW州では、比較的安定的な降雨が見られ、作付面積、単収ともに増加し、生産量は、前年度を大幅に上回ると見込まれている。
 小麦に次ぐ主要冬作物である大麦については、作付面積は410万ヘクタール(同4.8%増)、生産量は849万トン(同3.9%増)と、ともに前年度を上回ると見込まれている。最大の生産州であるWA州では、作付面積が、カノーラの減少を相殺する形でかなりの程度増加する結果、生産量も前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。
表2
【根本 悠 平成28年3月3日発】
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