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豪州の穀物生産、小麦、大麦は増加する一方、ソルガムは減少の見通し

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豪州農業資源経済科学局(ABARES)は6月15日、最新の穀物生産見通しを発表した。

2015/16年度の夏作物の生産見通し、かなりの程度減少

 ABARESは、2015/16年度(7月〜翌6月)の夏作物(10月〜翌1月にかけては種、3〜4月にかけて収穫)の生産見通しを発表した(表1)。
 これによると、2015/16年度の夏作物全体の生産量は、370万8000トン(前年度比13.0%減)と、前年度をかなり下回るとされている。これは、米の生産量が25万1000トン(同63.6%減)と大幅に減少したことに加え、夏作物の5割以上を占めるソルガムの生産量が、203万7000トン(同7.8%減)とかなりの程度減少するとされていることによる。ソルガムの6割以上を生産するクイーンズランド州において、綿実への転作などによる作付面積の減少や、2015年12月の降雨が平年を下回ったことによる単収の減少により、生産量が減少するとされていることが影響している。
表1

2016/17年度の冬作物の生産見通し、小麦、大麦ともに増加

 ABARESは、2016/17年度の冬作物(3〜6月にかけては種、10月〜翌2月にかけて収穫)の生産見通しを発表した(表2)。
 これによると、2016/17年度の冬作物全体の作付面積は2227万1000ヘクタール(前年度比0.7%増)と前年度並みとなるものの、単収が1ヘクタール当たり1.9トン(同5.8%増)と増加することから、生産量は4225万3000トン(同6.6%増)と、前年度をかなりの程度上回るとされている。
 このうち、冬作物の6割を占める小麦については、作付面積が1271万8000ヘクタール(同0.6%減)とわずかに減少するものの、単収が増加することで、生産量は2538万4000トン(同4.9%増)とやや増加するとされている。最大の小麦生産地である西オーストラリア(WA)州では、作付面積はわずかに減少するものの、3〜4月に降雨に恵まれたことで単収の増加が見込まれており、生産量は933万3000トン(同6.1%増)とかなりの程度増加するとされている。
 小麦に次ぐ主要冬作物である大麦についても、作付面積は405万2000ヘクタール(同1.3%減)とわずかに減少するものの、単収が1ヘクタール当たり2.23トン(同6.4%増)とかなりの程度増加することから、生産量は902万6000トン(同5.0%増)とやや増加するとされている。最大の大麦生産地でもあるWA州では、作付面積の減少により生産量はわずかに減少するとされている一方、WA州に次ぐ主要生産地であるニューサウスウェールズ州およびビクトリア州では、は種の時期に降雨に恵まれ、単収の増加が見込まれていることから、WA州の減少分を補う生産量の増加が見込まれている。

表2
【大塚 健太郎 平成28年6月17日発】
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