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タイCPグループ、広東省で畜産等垂直統合プロジェクト開始(中国)

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大規模垂直統合プロジェクトを開始、年末までにフル稼働を予定

 1970年代から中国への投資を始め、年々その事業規模と範囲を拡大しているタイの複合企業グループであるCP(チャロン・ポカパン)グループは、本年8月から中国南部の広東省湛江市で肉用鶏等の複合プロジェクトに着手し、本年末の本格稼働を目指すとしている。
 当該事業「正大(中国におけるCPの現地企業名)湛江現代農業総合開発基地」は初期投資約40億元(640億円:1元=16円)、総投資額約120億元(1920億円)で、湛江市では史上最大規模の海外投資案件とされる。本事業では「農場から食卓まで」の垂直統合事業を実施するとされており、農場部門は養鶏(肉用鶏1億羽規模)、養豚(100万頭規模)、水産(エビの養殖)の3分野のハード施設の整備が予定されている。また、これに関連する種鶏場、孵卵場、飼料生産加工工場、と畜・加工施設も併せて整備するとされている。
 当該事業は湛江市と正大(CP)、農業合作社と中国農業銀行の4者による官民連携合同事業として20万人以上の地元雇用と、土地の賃借料と労働者給与を併せ16.3億元(261億円)の経済効果が見込まれ、本格稼働時には年間総生産額100億元(1600億円)が期待されている。
  広東省は飼料調達の観点で垂直統合事業の立ち上げに適した地域と言える。2014年における広東省の全国に占める養豚・養鶏生産のシェアは、豚生産頭数が5.2%(3790万頭)、家きん類生産羽数は8.2%(9億5128万羽)と、全国でみると突出していないが、同省の全国に占める家畜飼料生産シェアは12.2%(2399万トン)と全省・自治区の中で最大であり、うち豚用飼料は全国の14.8%(1028万トン)、肉用鶏用飼料は14.7%(702万トン)を占める。
 正大グループの中国における主な事業展開は以下の通り。
・換金作物の栽培
・飼料生産
・現地の気候風土に適した養鶏における飼養管理と育種改良の開発
・農家の収入安定のための近代農畜産業技術の普及
・消費者ニーズと国際食品安全基準に適合した冷凍
・冷蔵鶏肉、一次加工食品、総菜の提供
【木田 秀一郎 平成28年9月9日発】
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