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穀物生産、降雨に恵まれ増産の見通し(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は9月13日、2016/17年度(7月〜翌6月)の穀物生産見通しを発表し、十分な降雨に恵まれ、冬作物、夏作物とも前年度を大幅に上回るとした。

(1)冬作物(3〜6月播種、10月〜翌2月収穫)

 これから収穫を迎える冬作物の生産量については、作付面積は2251万8000ヘクタール(前年度比1.8%増)とわずかな増加にとどまるものの、降雨に恵まれ、単収は1ヘクタール当たり2.05トン(同14.3%増)とかなり大きく増加した結果、6月に示した見通しを上方修正し、4614万トン(同16.4%増)と前年度を大幅に上回るとしている(表1)。
表1(冬作物)
 生産量の増加は、豪州全体で春先に十分な降雨があったことが背景にある。州別に見ると、2007/08年度以来となる全州で増加し、特に生産量の4割を占める西オーストラリア州やビクトリア州が、昨年度の不作から一転して大幅に増加すると見込まれている。また、品目別に見ると、冬作物の6割を占める小麦と、2割を占める大麦がそれぞれ2807万9000トン(同16.1%増)、949万6000トン(同10.5%増)と増加し、ともに歴代2位の大豊作となると見込まれている。

2)夏作物(10月〜翌1月播種、3〜4月収穫)

 今回の発表では、これから()種を迎える2016/17年度の夏作物について初めて生産見通しが示され、作付面積は142万ヘクタール(前年度比20.6%増)と大幅に増加し、単収についても1ヘクタール当たり3.36トン(同6.5%増)とかなりの程度増加する結果、476万5000トン(同28.5%増)と大幅に増加するとしている(表2)。
表2(夏作物)
 州別に見ると、降雨によりかんがい用水の利用が増加したニューサウスウウェールズ州が大幅に増加し、クイーンズランド州を上回った。品目別に見ると、綿実は作付面積の大幅増から123万7000トン(同51.0%増)と大幅に増加する一方で、夏作物の主産品となっているソルガムは、193万2000トン(同5.2%減)と減少すると見込まれている。これは、ソルガムより綿実の方が国際価格が高いことを受け、比較的低収量となりがちな乾燥地帯を中心に、作付品目を綿実に切り替えたことが背景にあるとしている。
【竹谷 亮佑 平成28年9月16日発】
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