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MLA、2016年の牛肉生産・輸出見込みを前回に続き下方修正(豪州)

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 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は1月23日、四半期に一度の牛肉需給見通しを発表した(表)。

2016年の生産・輸出見通し、牛群再構築の進展を反映して下方修正

 MLAは、2017年(6月末時点)の牛飼養頭数は、ビクトリア州やニューサウスウェールズ州などの南部を中心に牛群の回復が進んでいることから、4年ぶりに増加し、268万1000頭(前年比2.6%増)と見込んでいる(図1)。北部では、2016年11、12月の高温で牛群の回復が遅れている上、今後も平年以上の気温と平年以下の降水が見込まれていることから、飼養頭数の回復は南部より遅れるものの、南部では、牛群再構築が進展しており、2018年には3,4年前の干ばつにより飼養頭数が大幅に減少する以前の水準まで回復することから、全体としては増加傾向で推移すると見込んでいる。
 

西オーストラリア州の牛飼養頭数は、唯一増加

 牛飼養頭数は、2013年から2015年前半にかけて、干ばつにより放牧環境が悪化したことから、雌牛を中心に高水準でと畜が行われたことにより2013年をピークに減少しているが、地域により状況は異なっている。  
 MLAの推計によると、地域別に2016年6月時点の牛飼養頭数を、2000年以降のピーク時(2013年6月時点)と比較すると、クイーンズランド州1050万頭(2013年比18%減)、ニューサウスェールズ州540万頭(同9%減)、ビクトリア州400万頭(同5%減)と、主要な畜産地域において牛飼養頭数が減少している。
一方、西オーストラリア州は、230万頭(同15%増)とかなり大きく増加している。この背景には、牧草の生育期の同州の気象状況が他の地域に比べて良かったことに加え、同州からトルコやイスラエルなど中東向け生体牛輸出が好調に推移していることがあり、これらが飼養頭数の増頭を後押ししたとしている。
【大塚 健太郎 平成28年10月19日発】
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