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フィードロット飼養頭数、もと牛価格の上昇により大幅に減少(豪州)

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 豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は、共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2016年7〜9月期)を、11月8日と10日にそれぞれ公表した。これらによると、2016年9月末のフィードロット飼養頭数は、78万8873頭(前年同月比17.9%減、前回比13.4%減)と大幅に減少し、3年ぶりに80万頭を下回った(図1)。豪州では、肉牛飼養頭数の減少に伴い肉牛取引価格が高騰しており、フィードロットに導入する肥育もと牛の価格も上昇していることから、多くのフィードロットが導入を控えているとしている。
 一方、フィードロットの収容可能頭数は121万5663頭(前年同月比5.6%増、前回比0.1%増)へ増加しているため、フィードロットの稼働率は65%(前年同月比18.6ポイント減、前回比10.1ポイント減)まで大幅に低下している。
 
 飼養頭数を州別に見ると、最もフィードロット生産が盛んなクイーンズランド州をはじめとして、軒並み前年同月比、前回比ともにかなり減少している。中でも、南オーストラリア州は前年同月比で6割減と、特に減少幅が大きくなっている(表)。一方、西オーストラリア州は、前回比では大幅に減少しているものの、前年同月比では53.4%増と大幅に増加している。
 
 穀物肥育牛の2016年7〜9月のと畜頭数は、フィードロット飼養頭数の減少に伴い、67万105頭(前年同期比14.7%減、前回(4〜6月)比6.0%減)と前年同期比では大幅に減少したものの、前回比では減少幅が小さくなっている。
 州別に見ると、クイーンズランド州は、36万7528頭(前年同期比25.3%減、前回比4.8%増)と、唯一前回比で増加している(図2)。また、次にと畜頭数の多いニューサウスウェールズ州は、前年同期比では増加しており、前回比でもわずかな減少にとどまっている。
 
【大塚 健太郎 平成28年11月16日発】
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