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ABPA、2017年の鶏肉および豚肉の増産を予想(ブラジル)

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 ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)は12月13日、2016年と2017年の鶏肉と豚肉の生産・輸出見通しを発表した。
 これによると、2016年の生産量については、6月以降、飼料の主原料であるトウモロコシの供給不足による生産調整が行われた影響を受け、鶏肉は1290万トン(前年比1.8%減)、豚肉は370万トン(同2.4%増)と、いずれも年初の見込みから下方修正された。国内消費は、長引く経済低迷の影響で、不況期に消費が伸びやすい安価な鶏肉や豚肉についても落ち込んだ。一方、2016年の輸出量については、上半期の為替相場がブラジルレアル安であったこと等から、鶏肉が439万トン(同2.0%増)、豚肉が72万トン(同29.7%増)といずれも過去最高に達する見込みで、鶏肉と豚肉の需要は輸出に頼るところが大きくなっている。好調な輸出の仕向け先としては、いずれも中国がカギを握っており、鶏肉については、中国向けが長年第2位の輸出先であった日本向けを抜くことが確実視されているほか、豚肉については、中国国内の需要が賄えていないことから、ブラジル産に対する引き合いが大幅に強まっている。

 また、ABPAは2017年の鶏肉と豚肉の生産・消費量について、いずれも3〜5%増を見込んでいる。国内経済はようやく回復基調に転換することが見込まれており、消費を後押しする見通しである。一方、輸出については、欧州等で発生している鳥インフルエンザの影響で、発生国からの輸入を停止した国々からのブラジル産鶏肉需要の拡大が予測されている(参考:ブラジルはこれまで一度も鳥インフルエンザの発生が確認されていない)。このほか、米国大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利したことで米国との関係悪化が懸念されるメキシコについては、急増するブラジル産鶏肉の輸入をさらに増やすと見込まれている。一方、豚肉については、韓国やメキシコへの輸出解禁が期待されている。
表
【米元 健太 平成28年12月19日発】
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