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脱脂粉乳公的在庫の売渡入札2回目は、全量不落(EU)

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 欧州委員会は、1月3日に実施した脱脂粉乳公的在庫の2回目の売渡入札において落札がなかったことを公表した。
 各国政府が買い入れた脱脂粉乳33万5000トンの公的在庫については、そのうち2015年11月以前に買入れられた2万2000トンが昨年12月13日に売渡入札に付され、わずか40トンが落札された。
 今回は、前回の落札数量40トンを差し引いた2万1960トンが売渡入札に付され、応札率54%となる計1万1900トンの応札があった。最高価格は100キログラム当たり196.1ユーロ(2万4316円)、最低価格は同165.1ユーロ(2万472円)となり、依然として公的買入価格の169.8ユーロ(2万1055円)を下回る応札が見られた。
 また、今回の入札においては前回と異なり、売渡最低価格は設定されなかったにもかかわらず、直近のEU平均卸売価格を大きく下回っている応札価格であり、落札とされなかった。
 
 欧州委員会は、脱脂粉乳の年間生産量の3分の1に相当する莫大な公的在庫を抱えながらも、安易に売却しない姿勢を打ち出し、この公的在庫の売却は、在庫を減らすことが目的ではなく、需給バランスの均衡と価格の回復を目的としている。
 直近となる12月26日の週の平均卸売価格は同210.3ユーロ(2万6077円)であり、前回の売渡入札時よりも上昇していた。同時期としては、前年を22.1%上回っているが、3年前を35.4%下回っている。さらなる価格の上昇を期待する欧州委員会としては、この勢いを弱めるような価格での売却は考えていないと見られる。
 1年以上も在庫となっている脱脂粉乳を、現在流通している製造年月日の新しいものと同等の価格で売却しようとする考えに業界の批判もあるが、市場価格は上昇していることから、需要は堅調であるとして、欧州委員会は強気の構えを崩していない。
 
 次回の入札は、脱脂粉乳の売渡入札に係る実施規則に基づき、今回と同じ売渡数量で1月17日に行われる。欧州委員会と乳業の駆け引きがどうなるのか注目される。
脱脂粉乳のEU平均卸売価格
【調査情報部 平成29年1月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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