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タイ政府、バイオ産業発展計画を発表

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最終更新日:2017年2月10日

3つの段階に分けた長期計画を策定

 現地報道(バンコク・ポスト)によると、タイ政府は2017年1月、バイオ産業発展のための長期計画を発表した。同計画は、バイオ燃料、バイオ化学製品、バイオ食品、バイオ飼料、バイオ薬品や関連する高付加価値製品の生産を振興するため、政府・民間共同で、工場の建設などに4000億バーツ(1兆3160億円:1バーツ=3.29円)近くを投資するものであり、3つの段階に分かれている。
 まず、2017年から2018年にかけての第1段階では、バイオ産業に適した原料作物の遺伝資源の特定や必要な機械の調達、新たな工場の建設、すでに一定の生産能力を有するバイオ燃料やバイオ薬品の生産拡大などに510億バーツ(1678億円)を投じる。
 次に、2019年から2021年にかけての第2段階では、原料作物の作付面積の拡大、生産・研究開発と環境保護策が一体化された工場の建設、高付加価値製品の生産拡大に1820億バーツ(5988億円)を投じる。
 さらに、2022年から2026年にかけての第3段階では、タイをバイオ産業の地域拠点とし、商業ベースでも機能する工場の建設、国内外における研究活動に1320億バーツ(4343億円)を投じるというものである。

農業分野への効果を期待

 これらの一連の計画では、キャッサバやサトウキビを原料としたバイオ燃料、バイオ薬品、バイオプラスチックなどの高付加価値製品の生産が計画されている。
 同報道において、タイのソムキット副首相は、「タイは、世界最大のキャッサバ製品と砂糖の輸出国の一つであり、本計画により、10年後には、キャッサバの販売額は年間1000億バーツ(3290億円)、サトウキビは3000億バーツ(9870億円)まで増加する見込みである。その結果、生産者の所得が向上し、生産・研究分野において新たに2万人の雇用を生み出し、バイオ産業の拡大は、化石燃料の使用に伴う二酸化炭素排出の削減にもつながる。」として、意気込みを示している。
 
 
【根本 悠 平成29年2月10日発】
 
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