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2016年の豚肉輸出量は史上2番目を記録(米国)

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 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が2017年2月15日に公表した「Livestock, dairy, and Poultry Outlook」によると、2016年の豚肉の輸出量は、豚肉の生産量が増加し、豚肉価格が安値で推移したことなどから、前年比4.5%増の237万4000トンと、2012年に次いで史上2番目を記録した(図1)。この輸出量は、同年の豚肉生産量(1131万2000トン)の20.7%を占めた。
170301海外情報図1
 輸出先国別に見ると、最大の輸出先であるメキシコ向けは、同3.2%増の72万8000トンとなり、全輸出量の30.7%を占めた。この要因についてUSDAは、米国産豚肉の価格が需要が高いもも肉を中心に安値であったことを挙げている。アジアについては、日本および韓国向けが、EU産との競合により、それぞれ前年比4.9%減(55万トン)、同17.7%減(18万4000トン)となった。一方、中国向けは、需要の増加により、同97.8%増の22万6000トンと大幅に増加した。これにより同国向けのシェアは、全輸出量の9.5%を占め、カナダに次ぐ4番目となった(表)。
170301海外情報表1
 また、同年の豚肉輸出額は、前年比4.3%増の42億250万米ドル(4832億8750万円)となった。内訳を見ると、日本向けは同0.3%減の14億8240万米ドル(1704億7600万円)となり、全輸出額の35.3%を占めた。メキシコ向けは、同10.0%増の10億1460万米ドル(1166億7900万円)となった(図2)。
170301海外情報図2
 2017年の豚肉輸出量についてUSDAは、前年比4.0%増の246万8000トンと見込んでいる。この要因として、2017年も豚肉生産量の増加と豚肉価格の下落、そして国際的な豚肉需要の高まりが見込まれることを挙げている。

 豚肉チェックオフの管理団体である全米豚肉ボード(NPB:National Pork Board)は2月21日、「2016年の豚肉輸出量は増加したが、米国産豚肉はいまだ、国際的な競争の激化や米ドル高という課題を抱えている」とした上で、「NPBは、輸出市場における販売促進に関するチェックオフ資金提供を2017年に12.7%増額することを承認した」とのコメントを発表した。
【渡邊 陽介 平成29年3月2日発】
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