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殺虫剤「騒動」で鶏卵の安全管理を強化へ(韓国)

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 韓国の農林畜産食品部と食品医薬品安全処は8月21日、8月に鶏卵から殺虫剤の成分が検出されたことを受け、今後の安全管理対策を別表のとおり発表した。また、9月4日には、殺虫剤の成分が検出された52農場が生産し、流通業者などを通じて市場に出回っている鶏卵については、全量回収、廃棄するとともに、年末までに全ての採卵鶏農場を対象とした予告なしの抜き打ち検査を実施すると発表した。
 採卵鶏農場を対象とした残留農薬のサンプル調査の結果、北西部の京畿道の8万羽規模の農場において生産された鶏卵から基準値を超えるフィプロニルが検出されたことに端を発する。フィプロニルは、ノミやダニの防除に用いられる殺虫剤で、国内の採卵鶏農場から同成分が検出されたのは初めてである。
 同部は8月14日に初の検出を発表し、調査を全国1239カ所に上る全ての採卵鶏農場に拡大し、合計で52カ所の農場からフィプロニルなどの殺虫剤成分が基準値を超えて検出されたものである。
 現地報道によると、量販店は、政府が発行した殺虫剤成分未検出の卵であることを証する「試験・検査成績結果証明書」を掲げ、卵の安全性をPRしている。しかし、一度背を向けた消費者の心を変える状況には至っておらず、韓国鶏卵流通協会の会長は、「流通業者の倉庫には卵がうず高く積まれ、品質の低下が憂慮される状況になっており、この状況がいつまで続くのか分からない。」としている。

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【青沼悠平 平成29年9月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:青沼悠平)
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