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日EU・EPA署名を受け、EU農業団体の期待感は高まる

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 欧州委員会は、7月17日の日EU経済連携協定(EPA)の署名について、同日付けでプレスリリースを行い、約6億人の消費者をカバーする開かれた貿易圏を創設する過去最大の貿易協定であることを紹介した。
 
 欧州委員会のユンカー委員長は、「今日署名した文書は、貿易協定を超えるものである。欧州と日本の経済を発展させる道具ではあるが、労働、安全性、環境、消費者保護など高い基準にコミットする似かよったパートナーによるものである。この協定は、ゼロサムゲームではなく、両者ともにウィンウィンとなるものであり、両者に明らかな利益をもたらすと同時に、お互いの弱い者を守るものである」旨を述べた。
 また、「我々は、世界最大規模の2つの経済は開かれた貿易を信じ、一国主義と保護主義の両方に強く反対するというメッセージを発信する」というマルムストロム通商担当委員のコメントも紹介された。同委員は、特に欧州の農業セクターは、巨大な日本市場へのアクセスと200を超える特徴ある食品や飲料の保護により大きな恩恵を受けるとし、欧州議会へ早期の承認を求めた。
 同プレスリリースは、同協定の発効時期を2019年中と言及している。
 
 これに対しEUの農業団体は、大枠合意時と同様、総じて歓迎の意と期待感を表している。
 
 EU最大の農業生産者団体である欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)、欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)、欧州農産品貿易連絡委員会 (CELCAA)の三者は連名でプレスリリースを行った。この中で、同協定による関税引き下げと貿易障壁の撤廃の両方において、EUの日本向け農畜産物、食品、飲料輸出に大きな機会をもたらすものと期待を示した。また、同協定はダイナミックで成長しつつあるアジア・太平洋地域で競争力のある地位を強化するためにも戦略的に重要であり、欧州議会に対し、同協定の迅速な承認が必要であるとした。
 
 その他、EUの乳製品輸出事業者の団体である欧州乳製品輸出入・販売業者連合(Eucolait)は、署名について会員に速報で知らせるとともに、日本市場はチーズ部門において特に重要であるとし、歓迎と期待感を示した。
 
 今後、日本とEUは互いに発効に向けた作業を行うこととなるが、EU域内では事業者に向けた同協定に対するセミナーなどが行われる計画もあり、EUにとっても過去最大である同協定に対する関係者の期待感は日に日に高まっている。
【調査情報部 平成30年8月2日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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