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ブルガリアで初、アフリカ豚コレラ(ASF)が発生。感染の拡大続く

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 国際獣疫事務局(OIE)は8月31日、ブルガリアで初のアフリカ豚コレラ(ASF:African Swine Fever)の発生が確認されたと発表した。OIEによると、発生場所は同国北東部のヴァルナ州(Varna)プロヴァディア基礎自治体(Provadia)の7頭を飼養する裏庭養豚で、発生同日に陽性と診断された。全頭、死亡または殺処分されている。
 
 現地報道によると、ブルガリア政府は、同国の北に位置するルーマニアにおいて、2017年7月のASF初発以降、発生が頻発している状況を受け、感染を媒介する野生いのししの越境を防止するためのフェンス設置に取り掛かっていたものの、今回の発生は、当該国境付近ではなく、国境から100キロメートル以上も離れたところで起こっているという。
 同国のルメン・ポロドザノフ農業担当大臣は、国内での初のASF発生を受け、「感染の原因を特定するため、あらゆる努力をしている」とコメントした。また、感染源については、「製品の流通、観光客、住民、動物の移動、または飼料の輸送など多くの可能性がある」とし、その中でも、特にルーマニアを経由して同国内に流通する飼料に対する懸念を示した。OIEは、感染源については現在調査中としている。
 
 なお、OIEによると、8月27日現在、ルーマニアでは豚778件、野生いのしし29件でASFの発生が確認されている。
アフリカ豚コレラ
 ASFは、2014年にバルト諸国とポーランドで発生して以降、徐々に西へ拡大していた。しかし、2017年に入り、ロシア国内での発生が徐々に東へも拡大する中、2018年8月に中国での発生が確認されている。欧州域内では、2018年に入ってから4月にハンガリーで発生し、今回のブルガリアはそれに次ぐ感染拡大の2カ国目となる。
 このような中、欧州内の発生近隣国では、国境へのフェンス設置などの対応策を講じている。しかし、ASFの感染源の特定が非常に難しいことから、ドイツやデンマークといった未発生の主要豚肉生産国をはじめ自国への感染拡大の可能性について、関係者の懸念は続いている。
 
 なお、ブルガリアは、2017年に約7万1000トン(枝肉重量ベース。EU28カ国のシェア0.3%)の豚肉を生産し、うち約3900トン(製品重量ベース)をEU域内外に輸出している。最大の輸出先は隣国のギリシア(ASF未発生国。輸出量シェアは全体の64%)となっている。日本は2001年以降、同国からの豚肉輸入実績はない。また、ASFは豚、いのししの病気であり、人に感染することはない。
【調査情報部 平成30年9月7日発】
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