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ブラジル、豪州、グアテマラの3カ国、インドの砂糖政策を巡りWTOにパネル設置を要請

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最終更新日:2019年7月18日

 ブラジル、豪州、グアテマラのそれぞれの政府は7月11日、インド政府との砂糖産業の支援政策を巡る2国間協議(注)が決裂したことを受け、世界貿易機関(WTO)に対し裁判の一審に当たる紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請したと発表した。パネル設置の可否については、同22日に行われるWTOの紛争解決機関会合で審議予定であるが、被申立国のインドには、パネル設置の承認に対して1回に限って拒否権を行使できることから、決定は来月以降に持ち越される可能性が高い。

 世界の主要な砂糖輸出国であるブラジル、豪州、グアテマラの政府は、インドによる生産者や製糖業者への補助金は、WTOのルールに明らかに反していると主張し、政策の見直しを求めている。これに対し、インド政府はいずれもWTO協定で認められている補助金であると反論している。

 互いの主張は平行線をたどっており、パネルで決着するかは不透明である。ここで解決できなければ、どちらかが裁判の2審に当たる上級委員会に不服を申し立てる可能性が高く、最終的な判断が出るには1年以上かかるとみられる。
図 WTOの紛争処理手続きの流れ
(注)それぞれの政府が2国間協議要請を行った経緯については、以下のURLをご覧ください。
   ・ブラジルと豪州がインドの砂糖産業への補助金を問題視、WTO提訴へ
     https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002411.html
   ・インドの砂糖産業への補助金をめぐり、グアテマラもWTOに提訴へ(『砂糖類・でん粉情報』2019年7月号
    「5. 日本の主要 輸入先国の動向(2019年6月時点予測)」)のグアテマラの項を参照)
      https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002001.html
【坂上 大樹 令和元年7月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4396