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スロバキアで、アフリカ豚コレラが初発

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 国際獣疫事務局(OIE)は7月25日、スロバキアで、1例目のアフリカ豚コレラ(ASF:African Swine Fever)の発生が確認されたと発表した。
 OIEによると、発生場所は、同国東部のコシツェ(Kosice)の裏庭養豚農家である。国立獣医研究所の検査で1頭が陽性と診断され、同農家に飼養されていた4頭の豚が殺処分された。なお、現時点では、感染源については判明していない。
 報道によれば、今回発生したのは、野生のイノシシでの発生が続いているハンガリーとの国境からわずか470メートルしか離れていない場所である。なお、現地関係者の話として、「発生があった地域には大規模養豚農家はなく、発生があったのも庭先で1〜2頭程度の豚を飼養するような農家」であるという報道もある。また、「スロバキア当局によると、発生場所から3キロメートル(約2マイル)以内にいるすべての豚が殺処分される予定で、発生場所から3キロメートルに防護区域が、同10キロメートルに監視区域が設置された」と報道されている。
 
図1
 ASFは、2014年にバルト諸国とポーランドで発生して以降、徐々に西へ拡大した。EUのうち、チェコやベルギー、ハンガリーではASFの発生は野生イノシシにとどまっており、ベルギー、ハンガリーでは引き続き発生が見られるものの、チェコでは2018年4月を最後に発生しておらず欧州委員会の制限区域も現在では解除されている。2017年以降、ロシア国内では徐々に東へも拡大し、アジア諸国でも発生が広がっているところであり、欧州委員会は、ASF対策の手を緩めることはできないとしている。
 
図2
【前田 絵梨 令和元年7月31日発】
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