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豚生体出荷価格が過去最高値を更新(中国)

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 アフリカ豚コレラの発生が続く中国では豚飼養頭数が減少の一途をたどっており、2019年8月の飼養頭数は前年同月比38.7%減、うち繁殖雌豚は同37.4%減となった(図1)。
図1 豚飼養頭数の推移
図1 豚飼養頭数の推移
 このため、生体豚の供給不足となり、生体出荷価格は2019年8月22日に1キログラム当たり22.63元(353円、1元=15.6円)となり、2016年6月の同21.05元(328円)を超えて統計がある2009年以降の最高値を更新した(図2)。現地では、と畜業者が利益確保のため豚肉価格を引き上げたことも要因とされ、このような上昇は今後2〜3年間継続し、同30元(468円)を超える見通しと報道されている。
図2 豚生体出荷価格の推移
図2 豚生体出荷価格の推移
 豚枝肉卸売価格についても、例年であれば9月の中秋節や10月の国慶節といった需要期に向け5月前後から徐々に上昇するが、2019年8月に入り各地域で急激に上昇している。大生産地かつ大消費地である四川省では、7月8日では1キログラム当たり15.8元(246円)であったが、9月13日には41.28元(644円)まで上昇した(図3)。春節休み(2020年は1月24日〜30日とされている)に向けてさらに豚肉価格は上昇すると考えられるため、引き続き豚肉価格や輸入動向を注視していく必要がある。
図3 豚枝肉の卸売価格の推移
図3 豚枝肉の卸売価格の推移
【寺西 梨衣 令和元年9月20日発】
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