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穀物の生産見通しを発表(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は6月10日、2019/20年度(7月〜翌6月)夏作物の生産予測の見直しを行うとともに、2020/21年度冬作物の生産予測を発表した(注)。
(注)豪州の夏作物は、10月〜翌年1月に播種、3月〜6月に収穫を行う。冬作物は、3月〜6月に播
  種、10月〜翌年1月に収穫を行う。また、本発表の段階では、2019/20年度夏作物の収穫が
  概ね終了しており、2020/21年度冬作物の播種が概ね終了している(図)。
図1

【夏作物】2019/20年度ソルガム生産量、干ばつにより大幅減で最低の見込み

 2019/20年度の夏作物について、作付面積は、35万6000ヘクタール(前年度比67.5%減)と、前回予想(2020年2月)から1000ヘクタール下方修正され、前回に続き大幅な減少を見込んでいる(表1)。これは、長期にわたり継続する干ばつにより、主産地であるクイーンズランド(QLD)州およびニューサウスウェールズ(NSW)州を中心に主要品目であるソルガム、綿実においてそれぞれ7〜8割程度減少するためである。
 生産量は、作付面積の大幅な減少に加え、単収は低水準であった前年度を上回ったものの平年と比較すると引き続き低水準であることから、88万5000トン(同62.1%減)と、前回予測から7000トン上方修正されたものの、大幅な減少を見込んでいる。
 主要品目別にみると、夏作物で最も生産量の多いソルガムは、主産地であるNSW州北部やQLD州中部および南部において乾燥気候により作付けが制限され、作付面積が14万3000ヘクタール(同74.0%減)となるとともに単収も低水準であることから、生産量が29万8000トン(同74.3%減)と4分の1程度までに激減し、作付面積および生産量とも1989/90年度以降の統計で最低を記録すると見込んでいる。
 次に多い綿実は、生産地域において干ばつによりかんがい用水の配分量が少なく水取引価格が上昇したことから、作付面積が6万ヘクタール(同82.6%減)と1978/79年度以来の水準に減少すると見込んでいる。これを受け生産量は、単収が大幅に増加するものの、18万9000トン(同72.4%減)と4分の1程度までに大幅に落ち込むと見込んでいる。
 その他、米は、綿実と同様にかんがい用水が十分でないため、作付面積が5000ヘクタール(同37.5%減)、生産量が5万7000トン(同14.9%減)と、生産量が少なかった2018/19年度よりさらに減少し、2007/08年度以来の少ない生産量になると見込んでいる。
表1

【冬作物】2020/21年度生産量、NSW州を中心に前年度不作から大幅増

 2020/21年度の冬作物について、作付面積は、2247万6000ヘクタール(前年度比23.1%増)と大幅に増加すると見込んでいる。これは、主産地のひとつであるNSW州のほかQLD州において、直近2期続いた干ばつから気候が劇的に好転しているためである(表2)。
 単収は、NSW州、ビクトリア(VIC)州、南オーストラリア(SA)州で6月初旬の土壌中水分の状態が良好であり、7月も平年以上の降雨が予測されることから、豪州全体で1ヘクタール当たり1.98トン(同24.3%増)と大幅に改善すると見込んでいる。
 この結果、生産量は、4452万トン(同53.0%増)と、干ばつの影響で不作となった直近2期と比較して大幅に増加すると見込んでいる。これは、2019/20年度までの10年間の平均値を11%程度上回る水準となる。
表2
 地域別にみると、VIC州を除き全国的に大幅な生産量の回復が見込まれる中、最大の生産地である西オーストラリア(WA)州の生産量は、播種期に当たる5月初旬に降雨に恵まれ、また5月下旬の降雨により土壌中の水分が十分な状態で冬期を迎えることから、1529万トン(同31.6%増)と生産量が少なかった前年度から大幅に増加すると見込んでいる。WA州に次ぐ生産量のNSW州においても、播種期の土壌中水分が理想的な状況で冬期も良好な降雨が予想されていることから、1205万9000トン(同261.1%増)と干ばつの影響で生産量が落ち込んだ前年度から3.6倍に回復すると見込んでいる。また、QLD州もNSW州と同様に、203万1000トン(同199.8%増)と前年度から3倍に回復すると見込んでいる(表3)。
表3
 主要品目別にみると、冬作物で最も生産の多い小麦の生産量は、2667万4000トン(同75.9%増)と大幅な増加を見込んでいる。最大の生産地であるWA州は、大麦より収益性の高い小麦に作付けが移行することから作付面積が5.6%前年度を上回り、生産量が860万トン(同48.3%増)と前年度を大幅に上回る。また、降雨に恵まれ干ばつの状況から回復したNSW州およびQLD州では、作付面積が前年度より大幅に増加し、生産量はそれぞれ828万8000トン(同396.6%増)、140万トン(同333.3%増)と大幅に前年度を上回り全体の生産量の増加につながっている。
 大麦の生産量は、干ばつの状況から改善したNSW州およびQLD州を中心に回復することから、1055万8000トン(同17.3%増)と大幅な増加を見込んでいる。最大の生産地域であるWA州は、大麦の価格下落に伴い、中部および北部の生産地域において収益性の高い小麦に作付けが移行することから作付面積が前年度より8.6%減少し、生産量が390万トン(同1.3%増)と前年度をわずかに上回る程度となる。また、干ばつの状況から改善し作付面積が増加するNSW州およびQLD州は、それぞれ203万4000トン(同290.7%増)、28万トン(同466.7%増)と大幅に前年度を上回り全体の生産量の増加につながっている。
【井田 俊二 令和2年6月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532



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