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欧州委員会、コロナ禍のトマトの短期的需給見通しを公表(EU)

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最終更新日:2020年7月22日

 欧州委員会は2020年7月6日、6月中旬までの入手可能な市場情報に基づき、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の拡大によって急速に変化する状況や影響などを可能な限り反映した農畜産物の短期的需給見通し(注1)を公表した。
欧州連合(EU)離脱の移行期間にある英国(注2)を含まないEU加盟27カ国が対象で、英国とは、移行期間終了後に農畜産物の関税や非関税障壁が発生しない現在と同じ状況下にあることを前提としている。
 今回、このうちの生鮮および加工用トマトの需給見通しの概要について紹介する。

(注1)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年3回(晩冬、初夏、初秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。
(注2)英国は現在、EU離脱(BREXIT)したものの、EU法の適用下の「移行期間」にある。同期間は2020年12月31日に終了予定。

<生鮮および加工用トマト>
 2020年の生鮮トマト生産量は、最大の生産国であるスペインで生産者がより収益性の高い温室栽培の他品目に転換し、生産量が減少するため、前年比1.7%減を見込んでいる(表)。スペインとは対照的に、ポーランドの生産量は温室栽培への投資が増加した結果、生鮮トマト生産量は増加する見込みである。他のEU加盟国については、小玉で高付加価値のトマト生産に重点を置いているため収量は減少するものの、冬期の生産期間が延長することにより、全体的に横ばいで推移すると見込んでいる。
 2020年の加工用トマト生産量は、長期的な周期的変動により、同1.3%増加すると見込んでいる。
表 トマトの需給見通し
 2020年の生鮮トマトの輸出は、COVID−19対策による物流の問題や輸送コストの増加などのため、1〜4月は前年同期比約20%減であったものの、5月以降は力強く推移しており、年間では前年比6.9%減と見込んでいる。

 2020年の生鮮トマトの輸入は、増加が続き、同3.0%増と見込んでいる。モロッコが圧倒的な割合(2019年EU輸入量の71%)を占めている一方で、トルコからの輸入(同17%)は、1〜4月で前年同期比37%増となった。同期間のモロッコからの輸入量は、COVID−19に関連して物流が困難だったことが大きく影響し、同3%のみの増加であった。

 COVID−19対策で外食需要が止まったが、特に大玉トマトの需要が影響を受け、価格が下落した。同時に、小玉トマトの家計消費が増加し、結果的に2020年の生鮮トマトの消費量は前年比0.9%減とわずかな減少を見込んでいる。

 欧州委員会は、EU全域において、都市封鎖(ロックダウン)などの厳しい措置が徐々に解除され、夏季休暇期間が始まるとともに、特に外食需要の回復が期待されるものの、予測される景気後退の大きさなどが個人消費にどの程度のマイナスの影響を及ぼすのか、はっきりと見通すことはできないとしている。また、BREXITや英国と他国との貿易交渉の行方は依然として見通すことができず、2020年の生鮮および加工用トマト需給には不確実性が含まれるとしている。

 なお、EUは、日本において生鮮トマトの輸入量の約7%を占める一方で、トマト加工品の輸入量の約60%を占める最大の輸入先地域である(図1、図2)。
図1 日本の生鮮トマトの国別輸入量の推移
図2 日本のトマト加工品の国別輸入量の推移
【小林 智也 令和2年7月22日】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527



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