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食肉業界労働者のワクチン優先接種を推奨(米国)

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 12月20日、疾病対策予防センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン優先接種対象者を更新した(表)。既に接種が開始されている医療関係者および長期療養施設入居者に次いで、75歳以上の人々と必要不可欠な業種の中でも3000万人の最前線の労働者(フェーズ1b)に、優先的にワクチン接種を行うことを推奨し、ワクチン接種計画とその実施に際し、この勧告を用いるよう連邦及び州政府等に求めた。
表
 フェーズ1bに含まれる最前線の労働者には、消防士、警察官、教師などの教育関係者、米国郵便公社を含む配送業者、食料供給に携わる農家や食肉業界関係者および生鮮食品店に従事する労働者などが含まれている。12月4日に北米食肉協会(NAMI)は全国豚肉生産者協議会(NPPC)と全米肉用牛生産者・ 牛肉協会(NCBA)との連名で、CDCおよび各州知事宛に、食肉業界関係者が優先的にワクチン接種を行えるよう要望していたところであった。
 今回のCDCの発表を受けて、NAMIのジュリー・アナ・ポッツ会長兼CEOは、「必要不可欠な業種の最前線で懸命に米国の家庭に食肉を供給し続け、米国農業経済を支えてきた食肉業界の労働者のワクチン優先接種は、食肉業界に携わる労働者の安全性を長期的に確保ために必要であり、食肉業界の労働者が暮らしている農村地域などにもメリットが大きいと考えられる。また、食肉業界が所有する最先端の冷凍施設を低温保存が必要とされているワクチンの保管場所として提供することで、食肉業界がワクチン接種を支援する可能性についても検討している。」と述べている。
 NAMIによれば、COVID-19が流行した今春以降、食肉業界が負担した感染予防対策費は、既に15億ドル(1560億円:1米ドル=104円)に達している。そして、食肉業界に従事する労働者のための感染予防対策として、個人用保護具の数千万個分の配布、検温や健康観察の実施、仕切り版の設置や社会的距離を確保するための食肉処理場の改築、検査の実施、感染または濃厚接触者となった場合の給与補償、処理場内の頻回消毒や換気の強化などを行っている。また、このような感染予防対策により、一般の感染率よりも食肉業界に従事する労働者の感染率は8分の1未満となっている。さらに、最前線で働く食肉業界の労働者へワクチン接種を優先的に行うことは、産業界、労働組合、市民団体の主導者からも支持されており、海外でもワクチン配布計画の重要な検討事項として認識されていると述べている。
【調査情報部 令和2年12月24日発】
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