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2020/21年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第4回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は1月13日、2020/21年度第4回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1、2)。この調査は、春播きの夏作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋播きの冬作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

トウモロコシ生産量、第1期作は天候不順の影響により前年度比6.9%減の見込み

 2020/21年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、前回公表より単収が減少したため27万6000トンとわずかに下方修正され、前年度比0.2%減の1億231万3200トンと、統計を取り始めて以来最大となった2019/20年度をわずかに下回ると見込まれている。
 トウモロコシは、現在全体の生産量の4分の1程度を占める第1期作の作付けが行われ、2021年1月1日時点で予定面積の88.5%で播種が完了している。これまでに南部を中心として気候不順の影響による作付けの遅れや作付け後の生育状況に遅れが見られ、第1期作の作付面積および単収がそれぞれ同1.5%減、同5.5%減となっており、生産量は同6.9%減と見込まれている。
 第1期作の主要地である南部では、作付面積はいずれの州においても前年度を2%程度上回っているものの、降水量不足により生産量は前年度を下回るとみられる。特にサンタカタリーナ州およびリオグランデドスル州ではその影響が大きく、単収がそれぞれ同14.1%減、同11.1%減となり、生産量もそれぞれ同12.7%減、同9.3%減と前年度を下回ると見込まれている。
 2020/21年度のトウモロコシの需給動向は、生産量が前年度をわずかに下回る一方で、輸出量が50万トン、消費量が316万4900トンとそれぞれ前年度を上回ると見込まれている。また、今回の見通しでは2019/20年度の輸入量を前回より20万トン上方修正し、2020/21年度期首在庫も前回予測より20万トン増加の1084万2400トンとした。なお、同年度の期末在庫は、前回に続き下方修正され、同32.4%減の732万820トンと前年度を大幅に下回ると見込まれている。

大豆の作付はほぼ完了し、作付面積は前年度比3.4%増の見込み

 2020/21年度の大豆生産量は、前回の公表より75万8800トンとわずかに下方修正されたものの、前年度比7.6%増の1億3369万2300トンと前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。このため、生産量は、前年度の記録を更新し過去最大になると見込まれている。
 大豆は、2020年12月25日時点で作付け予定面積の97.8%の作付けが完了している。作付面積は、前年度比3.4%増の3819万2800ヘクタールと見込まれている。2020年10月には、不安定な天候により作業の進捗に大きな影響があり、再作付けや一部ではトウモロコシへの作付けの変更が見られた。しかしながら、その後降雨に恵まれ、また中国からの強い需要や米ドルに対するレアル安を背景として、生産者の増産意欲は依然として強い状況にある。
 最大の生産州である中西部のマットグロッソ州では、9月〜10月の降水不足で作付けが大幅に遅れたが、作付面積は前年度比2.7%増となった。しかしながら生産量は、降水量が依然として十分な状況ではないため、同1.3%減の3542万5400トンと見込まれている。
 2020/21年度の大豆の需給動向は、生産量が増加する一方で、中国からの需要を背景に生産量に占める輸出量の比率が60%を超えており、輸出量は8570万トン以上になると見込まれている。また国内需要も引き続き強く、国内消費量が4500万〜4900万トンとなることが見込まれることから、期末在庫はさらに今後1年間低水準になると見込まれている。
表
図1
図2
参考
【井田 俊二 令和3年1月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472