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米通商代表部、カナダの乳製品に対しUSMCA下で初のパネル設置を要請(米国)

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 米国通商代表部(USTR)は2021年5月25日、米国-メキシコ-カナダ協定(USMCA)下でカナダが実施している乳製品輸入に係る関税割当の配分措置の是正を求めるため、同協定に基づく紛争解決パネルの設置を要請1すると公表した。
 2020年7月1日に発効したUSMCAにおいて、カナダは、米国の液状乳製品、クリーム、バター、脱脂粉乳、チーズなどに対する関税割当を協定発効6年目まで拡大し、その後、13年間は品目にかかわらず、さらに1%ずつ数量を増加させることを約束している。
 USTRによると、カナダ政府は乳製品の関税割当の一定割合をカナダ国内の加工業者に配分しており、米国の酪農家や加工業者、輸出業者がUSMCAの恩恵を最大限受けられていないとしている2。USTRは2020年12月、この問題の解決に向けてカナダ側と協議を開始したが、解決には至らなかった。
 USTRのキャサリン・タイ代表は「USMCAを完全に履行し、その恩恵をわが国の労働者が受けることがバイデン政権の最優先事項であり、この協定に基づく最初のパネル設置を要請することで、わが国の酪農産業とその労働者がUSMCA下で新たな機会をつかみ、カナダの消費者に対し米国乳製品を販売することができるようになる」とコメントしている。
 なお、USTRの公表に先立ち、全米生乳生産者連盟(NMPF)および全米乳製品輸出協会(USDEC)を含む68の団体は5月14日、USTRに対してこの問題が直ちに解決されない場合は、紛争解決パネルの設置を強く要請していた3
 今回のパネル設置に関しNMPFのジム・マルハーン会長兼CEOは、「カナダは、自国市場への参入を不適切に制限しており、USMCA下の義務を遵守していない。USTRがそれを是正しようとしていることに感謝する」と歓迎の意を表した。
 また、USDECのクリスタ・ハーデン会長兼CEOは、「長年、乳製品に関する貿易協定をカナダ側が弱体化させているという根拠のある懸念を持っており、約束を守らなければわが国の権利を守るために強固な行動に出るということを認識させる必要がある」とし、「今般のUSTRの行動は、輸出機会を最大限に活かす重要な一歩であると同時に、カナダ以外の市場に対しても将来の貿易障壁を防ぐための強いメッセージである」と評価している。
1 USMCAでの手続きでは、協定参加国からの要請が届いた時点で紛争解決パネルが設置される。なお、USMCAで規定されているスケジュールでは、今年後半に結果が報告される予定。
2 関税割当をカナダの加工業者へ配分することで、結果として米国にとって優先度の高い乳製品をカナダのユーザーへ供給できないという米国関係者の話が報道されている。
3 NMPFによると、紛争解決パネルにおいて、コンプライアンスの欠如が指摘されると、カナダがその関税割当数量の配分に関して実務管理を是正しない場合、米国は報復措置を課す権利を得るとされている。
【上村 照子 令和3年6月2日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397



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