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欧州委員会、生乳・乳製品の短期的需給見通しを公表(EU)

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 欧州委員会は2021年7月5日、農畜産物の短期的需給見通し(注)を公表した。今回、このうち生乳・乳製品の需給見通しの概要について紹介する。

(注)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年3回(晩冬、初夏、初秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。

<生乳生産>

 2021年の生乳出荷量は、5月の降雨で牧草の生育状況が良好となり、出荷量は前年を上回って推移すると見込まれるものの、1〜4月の出荷量が前年同期比1%減となったことから、前回3月時見通し(前年比1.0%増)から下方修正され、同0.8%増の1億4659万トンと見込まれている。1〜4月の生乳出荷量の減少は、寒波により主要生乳生産国のドイツとフランスの出荷量が前年同期比2%以上の減少となったことが影響している。なお、アイルランド、ポーランド、イタリアなどその他主要国では、1〜4月の出荷量がいずれも前年同期を上回って推移した。
 乳用牛のと畜頭数は、好調な乳製品市場を受けて1〜3月は乳用牛を保留する動きがあったため、同4%減となったものの、経産牛飼養頭数は通年では前年比0.9%減と見込まれている。また、1頭当たり乳量は、春先の生乳出荷量の減少から2021年第1四半期の増加率は低いとみられるが、通年では、同1.6%増が見込まれている。
図 生乳

<チーズ>

 2021年のチーズ生産量は、1〜4月の生産量が前年同期比3%増と増加したものの、前回3月時見通しと同様の前年比0.8%増と見込まれている。今後は生乳出荷量の増加が見込まれるなかでバターに仕向けられる割合が高まると見込まれていることが要因とされている。
 2021年のチーズ輸出量は、第1四半期(1〜3月)は、日本向け(前年同期比14%増)、スイス向け(同15%増)、中国向け(同2.5倍増)がそれぞれ増加したものの、英国向けが同21%減となったことなどが影響し、同3.0%減となった。しかし、その後、第2四半期(4〜6月)以降は回復し、前年比3.0%増が見込まれている。
 2021年のチーズ消費量は、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)のワクチン接種の進展によりEU域内では外食産業が再開されつつあることに加え、在宅勤務に伴う家庭内需要が引き続き小売需要を支えるとされていることから、前年比1.1%の増加が見込まれている。
図 チーズ

<バター>

 2021年のバター生産量は、1〜4月の生産量が前年同期比2%減となったことから、前回3月時見通し(前年比1.3%増)から下方修正され、同1.0%の増加が見込まれている。1〜4月のバター生産量の減少は、輸出需要などを背景にチーズ向けの生乳の仕向け割合が高かったことが影響している。
 EU産バターの価格は、中国の需要増に伴い国際相場が堅調に推移していることに加え、供給がひっ迫傾向にあったことから、1〜4月にかけて11%上昇した。しかし、EU産バターはオセアニア産に対して価格競争力があるものの、米国産に対しては価格競争力が劣ることから、輸出先によってはEU産の割合が低下すると見込まれている。
 2021年のバター輸出量は、1〜3月は英国向けの輸出量の減少が影響し、前年同期比24%減となったものの、前年比1.0%増と見込まれている。
 2021年のバター消費量は、チーズと同様の理由から、同1.0%の増加が見込まれている。
図 バター

<脱脂粉乳>

 2021年の脱脂粉乳生産量は、1〜4月の生産量が前年同期比6%減となったが、5月以降は、輸出およびEU域内の加工用向けの需要に支えられ、生乳出荷量の増加に伴い増加傾向で推移し、前年比2.5%増が見込まれている。  2021年の脱脂粉乳輸出量は、供給力のある米国からアジア向け輸出の増加が予測されるものの、前年比5.9%増が見込まれている。第1四半期(1〜3月)の輸出量は、米国産がEU産に比べ価格競争力が高かったものの、中国向け(前年同期比5%増)、インドネシア向け(同87%増)、フィリピン向け(同2.3倍増)など、特にEU域外向け輸出量の3分の1を占めるアジア向けが増加した。
図 脱脂粉乳
 欧州委員会は、COVID−19のワクチン接種が進展し、EU域内では外食産業の再開と渡航制限の緩和により、夏の観光シーズンとEUの食品消費全体に良い影響を与えると見込んでいる。しかし、ワクチンがデルタ型の拡散を抑制する効力やデルタ型がワクチンを接種した人にどの程度影響を及ぼすかについては、不確実性が残っているとしている。
【小林 智也 令和3年7月27日発】
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