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米国農務省による世界のトウモロコシ需給予測(2021年7月)

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2021/22年度の世界のトウモロコシ生産量、前年度からかなり増加する見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2021年7月12日、2021/22年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は前回から495万トン上方修正され、11億9480万トン(前年度比6.6%増、前月比0.4%増)と予測された。国別に見るとブラジル(同26.9%増)およびウクライナ(同23.8%増)では記録的な生産増が予測され、米国(同6.9%増)、アルゼンチン(同5.2%増)および中国(同2.8%増)でも過去最高水準に近い生産が見込まれている。
 輸出量は、世界全体で1億9884万トン(同8.6%増、同0.7%増)とわずかに上方修正された。国別に見るとブラジル(同53.6%増)とウクライナ(同32.6%増)で大幅な増加が見込まれるものの、米国(同12.3%減)はこれら輸出国との競合により減少が見込まれている。
 輸入量は、世界全体で1億8766万トン(同3.0%増、同1.0%減)とわずかに下方修正された。国別に見ると、主要輸入国である中国の輸入量は2600万トンと前年度から変わらないものの、引き続き高水準での推移が見込まれている。
 消費量は243万トン上方修正されて、11億8347万トン(同3.2%増、同0.2%増)とわずかに上方修正された。消費大国であるブラジル(同6.6%増)、米国(同1.2%増)および中国(同1.7%増)などで増加が見込まれている。
 期末在庫は、2021/22年度の生産量の上方修正などに伴い、前月から0.6%増の2億9118万トン(同4.0%増)と見込まれている。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2021年7月12日米国農務省公表)

2021/22年度の米国トウモロコシ期末在庫率、9%台の見込み

 USDA/WAOBは2021年7月12日、2021/22年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、同国のトウモロコシ需給見通しは次の通りである(表3)。
 生産量は作付面積の増加を受けて151億6500万ブッシェル(3億8521万トン(注)、前年度比6.9%増)と予測されており、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)をわずかに上回る水準となっている。
 消費量は飼料など向けの需要がわずかに上方修正され、全体では123億4000万ブッシェル(3億1345万トン、同1.2%増)と予測された。
 輸出量は生産量の増加に伴い上方修正されたものの、25億ブッシェル(6350万トン、同12.3%減)と記録的な輸出量となった前年度からかなり大きく減少すると予測された。
 期末在庫は、国内消費量が増加するものの、作付面積の増加を受けた生産量の増加が上回ることに伴い、前月から5.5%増の14億3200万ブッシェル(3637万トン、同32.3%増)と予測された。その結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は前月から0.4ポイント増の9.6%(同2.4ポイント増)となった。
 また、生産者平均販売価格はわずかに下方修正され、1ブッシェル当たり5.60米ドル(627円。1キログラム当たり24.7円)と予測された。
 
(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
表2 米国のトウモロコシの需給見通し(2021年7月12日米国農務省公表)
【水野 崇 令和3年7月26日発】
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