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英国家きん協議会、労働者不足解消に向けた取組を政府に要請(英国)

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 英国家きん協議会(BPC)は8月6日、現在の労働者不足は家きん肉生産の減少、食料価格の高騰および輸入の増加などにつながるとして、労働者不足解消に向けた取組を政府に対し要請した。

 BPCによると、英国の家きん肉産業は生産および加工部門で深刻な労働者不足に直面しており、家きん肉生産企業では必要とされる全労働者のうち16%以上の不足があると報告されている。BPCは、家きん肉産業の労働者は、国民に食料を安定供給するために非常に重要な役割を果たしているとし、英国のEU離脱(Brexit)の影響や家きん肉産業の労働者を低技能労働者に分類する政府の対応などがこの状況をさらに悪化させているとした。
 BPCのリチャード・グリフィス会長は、「労働力不足が原因で、協議会傘下の多くの企業が1週間当たりの鶏肉生産量を5〜10%、年間当たりの七面鳥生産量を10%、クリスマス用に見込まれる七面鳥生産量を20%それぞれ削減することを余儀なくされている。また、生産する製品の種類を減らしているため、英国民への鶏肉供給に影響が出ることを懸念している」とした。さらに、「このままでは、英国の食料安全保障は、食料価格の高騰と多くの輸入食品に頼らざるを得ないという二重の苦しみに見舞われてしまい、高品質の英国産食品が多くの消費者にとって手が届かなくなってしまうだろう。労働者不足解消のためには、移民規則の緩和、欧州連合(EU)との規制の整合性を受け入れることなどが必要であり、英国の食品供給を回復に向かわせるためにこれらの措置が取られなければならない」と述べ、政府に対する規制等の緩和を強調した。

 BPCが今回、政府に要請したのは以下の項目である。
(1)家きん肉部門の労働者を「熟練労働者リスト」および「労働者不足職種リスト」に追加し、給与や技能に関する不必要な障壁を減らすこと。
(2)鶏肉やクリスマス用七面鳥の季節的な需要を守るため、季節農業労働者制度を家きん肉部門(生産および加工)に拡大すること。
(3)英国の労働力を強化し、家きん肉部門の魅力を向上させるために、生涯技能保証(注)や職業実習賦課金制度などの技能および教育プログラムの中核に食料生産が位置付けられること。
(4)新たな農業法で求められている食料安全保障に関する調査を早急に実施すること。

 また、英国食肉加工協会(BMPA)も7月21日、従前からの労働者不足に新型コロナウイルス感染症(COVID−19)が拍車を掛けており、これ以上状況が悪化すれば、企業は生産ラインを一斉に停止せざるを得なくなるかもしれないとするプレスリリースを公表している。BMPAは、何カ月も前から政府に対し、食肉部門を労働者不足職種リストに追加するよう求めてきており、リストに追加されれば、食肉業界は労働者不足を一時的に海外の労働者で充足することができるとしている。

(注)パンデミック後の復興を支援するために策定された英国政府の雇用計画の一つであり、あらゆる年齢層の人々が良い仕事に就くために必要な技術を身につけることを支援するとともに、企業が技術不足を補うために人材を発掘・育成することを支援する仕組み。
【小林 智也 令和3年9月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527



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