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米国農務省による世界のトウモロコシ需給予測(2021年12月)

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2021/22年度の世界のトウモロコシ期末在庫、増産見込みを背景に19/20年度の水準に近づく

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2021年12月9日、2021/22年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は、12億873万トン(前年度比7.7%増、前月比0.3%増)と前月並みながらも史上最高が見込まれている。国別に見ると、生産量の増加などによりウクライナが200万トン、EUが250万トンそれぞれ上方修正された一方、中国は作付面積が増加したものの収量が減少したことから45万トン下方修正された。
 輸出量は、世界全体で2億486万トン(同15.4%増、同0.7%増)と前月から139トン上方修正された。国別に見ると、生産量で上方修正のあったウクライナが100万トン、EUが50万トンそれぞれ上方修正された。
 輸入量は、世界全体で1億8545万トン(同0.6%減、同1.1%増)と前月から203万トン上方修正された。主要輸入国である中国は2600万トンと前月から変わらず、引き続き高水準が見込まれている。  
 消費量は、世界全体で11億9588万トン(同5.2%増、同0.3%増)と前月から381万トン上方修正された。主要生産国の中では、ウクライナが40万トン上方修正された。
 この結果、期末在庫は、増産見込みを背景に前月から112万トン上方修正の3億554万トン(同4.4%増)とされ、2019/20年度に近い在庫水準が見込まれている。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2021年12月9日米国農務省公表)

2021/22年度の米国トウモロコシ需給予測、前回と変化なし

 USDA/WAOBは2021年12月9日、2021/22年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、同国のトウモロコシ需給見通しは、前回と変化なく、次の通りである(表2)。
 生産量は、150億6200万ブッシェル(3億8259万トン(注1)、前年度比6.7%増、前月同)と前月対比で据え置かれたが、前年度からかなりの程度増加する見込みであり、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)に近い水準となっている。  
 消費量は、123億3000万ブッシェル(3億1320万トン、同2.2%増、前月同)と前月対比で据え置かれた。
 輸出量は、25億ブッシェル(6350万トン、同9.2%減、前月同)と前月対比で据え置かれたが、依然として記録的な輸出量となった前年度からかなりの程度の減少が見込まれている。  
 期末在庫は、14億8300万ブッシェル(3794万トン、同20.8%増、前月同)と前月対比で据え置かれた。
 この結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は10.1%(同1.8ポイント増、前月並み)と前月から引き続き10%台を保っている。
 また、生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり5.45米ドル(627円。1米ドル=115円(注2)1キログラム当たり24.7円)と前月対比で据え置かれた。

 
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の11月末TTS相場。

 
表2 米国のトウモロコシの需給見通し(2021年12月9日米国農務省公表)
【水野 崇 令和3年12月22日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際情報グループ)
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