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米国の乳製品輸出、2年連続で過去最高を記録(米国)

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 米国乳製品輸出協会(USDEC)によると、2021年の米国の乳製品輸出は、2年連続で数量・金額ともに過去最高を更新した。世界的な乳製品需要の高まりを背景に、輸出量(乳固形換算)は年間230万トン(前年比10%増)、金額では77億5000万米ドル(8990億円:1米ドル=116円(注))(同18%増)と共に2桁の上昇率となった。また、この輸出量は、生乳換算すると21年の米国の生乳生産量の17%に相当し、こちらも過去最高としている。
 USDECのハーデン会長兼CEOは、「この結果は、米国乳業界が長年に渡って輸出先の需要を開拓し、サービスを提供するために長期的な努力と投資を積み重ねてきたもの」と述べている。
 
(注)三菱UFJサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年1月末TTS相場。

主要輸出先向けの多くで2桁の上昇率

 主要な輸出先では、メキシコ向けはコロナ禍からの経済回復に伴い、輸出額で前年比27%増と大幅に増加した(表)。同国向けチーズの輸出量は過去最高を記録し、脱脂粉乳も過去2番目の水準となった。米国西海岸の港湾の混乱により、船舶の遅延が発生しているが、陸続きのメキシコはその影響を受けないことも増加の要因となっている。
 また、21年上半期は、アフリカ豚熱により減少した豚飼養頭数の回復を図る中国向けにホエイの輸出が好調であったことから、下半期には激減したものの通年の輸出量は前年比31%増と大幅に増加した。
 その他、バターの顕著な伸びに加え、チーズ、脱脂粉乳、ホエイ製品なども大幅に増加した中東・北アフリカ諸国向けや、チーズ輸出が大幅に増加した中米向けも共に輸出額では前年比で30%以上の増加がみられる。
表

今後の乳製品輸出の課題

 22年の米国産乳製品輸出見通しについてUSDECは、2桁の成長は「可能ではあるが、簡単ではない」としている。それには以下の3つの課題を挙げている。
 1つ目は、トラックの輸送能力の限界やコンテナ不足などの港湾の混乱など物流面での課題を挙げている。これにより納期の遅れや輸送コストの上昇などが発生し、米国産乳製品の輸出力を十分に発揮できないとしている。
 2つ目は、米国の生乳生産量の伸び悩みを挙げている。海外からの需要が強くても、輸出に制限が生じる可能性があるとしている。
 3つ目は、20〜21年は、米中経済貿易協定の第一段階の合意やコロナ禍からの経済回復など主要市場の乳製品需要の高まりによって輸出拡大の機会があったが、22年は新たな需要を開拓しなくてはならないとしている。
 ただし、短期的にこの記録的なペースを維持することは困難であっても、長期的かつ持続的に米国産乳製品の輸出量と輸出額の増加は可能であるとの考えを示している。
【上村 照子 令和4年2月24日発】
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